剣道中毒

剣道中毒患者の為の処方箋あります

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剣道の打ちを強く!痛いのとはちょっと違う?

昨夜、小学6年生のゆずちゃんと稽古をしたのですが、今朝見たら大変なことになってました。というわけで、早速ゆずママに苦情LINEを送ってみることに。

これ見て!
昨日、ゆずに小手打たれたとこ。

小手が痛い
ゆずママ
うわっ!痛そう~。
ごめんなさい。
ゆず、凄い力なんやな。

力というより、打ち方に問題があると思いますが・・・

ゆずママ
御指導お願いしま~っす!

軽~くお願いされてしまいました。

打たれたのは地稽古や懸り稽古ではなく、基本稽古の時(小手面×3回)でした。当たっている場所も微妙に打突部位から外れているということも問題ですが、それよりも問題はこの痣です。

私の使用している甲手は最近購入したものなので、内綿にも問題ありません。ですから、分厚いガードの上から打たれているわけです。それなのに、ここまで痣になるって凄くないですか?

これって、打ちを強くという話とは別のような気がしますよね。ですから、今日は
 
剣道の打ちを強くするとはどういうこと?
 
というテーマを取り上げてみたいと思います。いや、マジで痛いんですけど拳じゃなくて良かったです。拳が腫れると本当に手が握れない程痛くなりますよね。

あなたの打ちは相手にダメージを与えていませんか?本当の強くということを改めて考え直してみましょう!
 

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打ちを強くするってどういうこと?

昨日の問題の小手面の稽古を保護者の方がたまたま撮影してくださっていたのでご覧ください。ちなみに、打っているのは私、元立ちはゆずちゃんではありません。

小手面を連続で3回、それを3セットという稽古メニューです。私の場合はなるべく早く打てるように頑張ってみたのですが、43歳のおっさんにはこの程度のスピードが限界です。(笑)

小学生同士の稽古なんかを見ていると、

少年B
A君の小手打ちが痛い!!

なんて苦情を良く聞きますよね。私も心配になることがありますが、私の打ちは痛くないようです。(時々相手に聞いて確認しているので間違いないと思います。)

でも、痛くないからと言って、打ちが弱いかと言われると、それ程弱いわけでもないと思っています。実は、若い頃は打ちが軽いとか弱いとか言われ続けていたのですが、努力の末に克服し、ある程度強く打つことができるようになったと思っています。

つまり・・・

痛い打ち ≠ 強く打つ

ということになります。

では、痛い打ちとはどのような打ちのことでしょうか?答えは力任せな打ちです。力任せに打っていると、早い打ちも打てませんし。恐らく、本物の刀を使った時には綺麗に切ることができないのではないかと思います。これは単なる予想ですが。
サムライ
イメージ的に言うと、『斬る』というより『叩く』という感じに近いでしょう。剣道において、打ちを強くするということは『斬る』イメージなのです。

では、『斬る』イメージに近付ける為にはどうすれば良いのでしょう?私が考えたのは次の3点です。

打ちを強くする方法

  1. 手の内の冴えを意識する
  2. 踏み込みを強くする
  3. 振るではなく、斬るという気持ちで振る

 
2番目の踏み込みということに関して言えば、上手な踏み込みをする選手は当たってなくても凄く強い打ちに見える時がありますよね。ですから、踏み込みということも重要なファクターであると考えます。

正しい踏み込み動作に関しては別記事にまとめていありますので、そちらの記事をご覧ください。
尿検査!潜血反応の原因は剣道の踏み込みだった?

3番目の項目は意識の問題なので、素振りの一本一本の時にも意識してみてください。最も重要なのが1番目の『手の内の冴え』という部分です。このことについてはちょっと難しいので、次の章で詳しく説明したいと思います。 

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手の内の冴えが打突の強さを作り出す!

さて、剣道の曖昧さの一つである『冴え』という部分について考えてみましょう。

師匠
お前の打ちには冴えがない!!

なんて、良く言われますよね。でも、そんなことを言われても困ります。

少年B
『打突の冴え』って何?

ってなります。何となくのイメージで言われても困りますよね。きちんと説明して欲しいものです。
では、まず手の内とは一体何なのかということから見ていきましょう。
 

手の内とは

全日本剣道大会のテレビ中継なんかを見ていると、
『お互いに手の内を知り尽くしている相手ということになります。』
という言葉を良く聞きますが、この場合の手の内とは作戦とか策という意味なので、剣道における手の内という意味とは違います。

では、剣道における手の内とはどのようなことでしょうか。それは以下のような項目をまとめて言った言葉だったのです。

手の内とは
  • 竹刀の握り方
  • 掌や指の使い方
  • 力の入れ具合

 
竹刀の握り方については、別記事にまとめてありますので、参考にしてみてください。
剣道において竹刀の握り方は最も重要?
 
では、『手の内』と『冴え』ということはどのように繋がっているのでしょうか?
 

力の入れ具合で冴えができる?

剣道の手の内は打つ瞬間に茶巾絞りの要領と習ったことはありませんか?実は、私が初心者の頃、茶巾ではなく、雑巾を絞るようにと教わったのですが、これは間違いです。

雑巾の絞り方と茶巾の絞り方は全く違うので要注意!!

残念ながら、私の知っている指導者でも未だに雑巾を絞るようにと指導している先生が居られます。茶道の場以外で茶巾という物を殆ど見ないですよね。ですから、子供に言ってもわからないので、解り易く説明しようとしているのかもしれませんが・・・

間違いは間違いです。余計に混乱してしまいますので、間違ったことを教えないようにしましょう。

茶道

では、どのように違うかと言うと、雑巾というのは捻じって捻じって、これでもかっていうくらい捻じりますよね。でも、茶巾を絞る時には捻じるのは間違いです。捻じらずにギュッと握るだけ。それも、薬指小指に力を入れてギュッと。

つまり、『打突の瞬間は茶巾絞りの要領』ということは、打突の瞬間だけ薬指と小指を締めるという意味だったのです。それが正しい手の内ということになります。

打突の痛い人と痛くない人の違いは、手の内の緊張と緩和が上手にできるかどうかということになります。

打ちが強くても痛くない人というのは、打突が打突部位を捉える瞬間に茶巾絞りの要領で手の内を締めるので、接触している時間は短時間。そして、打突の衝撃も極めて短時間なのです。逆に打ちが痛い人というのは、正しい手の内の作用ができていないということになります。

そして、その手の内の作用こそが打突の冴えということになります。
 
では、正しい手の内を身に着ける為にはどのようにすれば良いのでしょうか。
 

正しい手の内を身に着けて打ちを強くしよう!

正しいの手打ちを身に着ける最も簡単な方法を紹介したいと思います。しかし、簡単だからと言って、すぐに身に着くものではありません。何度も何度も反復練習をして、ようやく自然にできるようになるものです。

では、具体的にどのような方法か見ていきましょう。練習方法はとっても簡単な、小さく速く打つという練習方法です。

まずは準備物です。

準備物
  • 椅子または打ち込み台
  • 座布団・クッション等
  • 木刀

 
打ち込み台の場合は座布団等は必要ありません。空間打突ではなく、対象物を打つことが必要になります。ハウスダストアレルギーの方は座布団やクッションの取り扱いには十分注意してくださいね。
それから、竹刀ではなく木刀を使った方が良いでしょう。竹刀でも問題はありませんが、木刀のような小判型の方が手の内の作用を理解し易いと考えます。

具体的な方法はこちらです。

正しい手の内を身に着ける方法
  1. 面または小手の位置に打つ物をセット
  2. 構えた状態から左手を少し押す
  3. 左手の小指・薬指を緩める

  4. 右手を少し押す
  5. 同時に左手の小指・薬指を締める

  6. 跳ね返ってきたところを右手で押す
  7. 同時に左手の小指・薬指を締める

 
後は3番を延々と繰り返すのみです。言葉では少し解り難いかもしれませんが、打った時に竹刀は自然に跳ね返ってくると思います。跳ね返って来ない場合は力が入っているからということになるので、うまくできるように繰り返して練習してみてください。

剣先の振り幅については、剣先が10cm程度動くようにしてみましょう。慣れてきたら30cm程度振れるように頑張ってみると、更に効果的!

実際に私がやっている動画を掲載しましたので、ご覧ください。

どうでしょうか。ちょっとぎこちないですけど、わかりますよね。とにかく連続でタタタタタンとやり続けることでコツを掴めると思います。

実際は跳ね返ってくると言っても、その時に左手を少し押しているのですが、意識すると逆にできなくなると思いますので、あまり意識せずにやってみてください。

ポイントとしては、やはり小指と薬指です。小指と薬指を上手に動かせるようになると、殆ど手首を動かさなくても打突ができるようになります。そして、正しい手の内ができると、大きい打ちでも小さな打ちでも、打突部位を捉えた時に良い音がするでしょう。
 

まとめ

今日は剣道の打突動作において打ちを強くするということについて考えてみましたがいかがでしたか?どうしてゆずちゃんの小手打ちが痛いかということが良くわかったと思います。

では、記事をもう一度振り返ってみましょう。

まず、強い打ちと痛い打ちとは全く別物。そして、打ちを強くするということについては下の3つの方法が考えられます。

打ちを強くする方法
  1. 手の内の冴えを意識する
  2. 踏み込みを強くする
  3. 振るではなく、斬るという気持ちで振る

 
特に重要なのが手の内の冴えという部分ですね。手の内の冴えを作るのは正しい力の入れ具合、即ち茶巾絞りです。

しかし、頭の中でわかっていてもすぐにできる事ではありません。打ちを強くするには正しい手の内ができるように反復練習をするしかありません。

実は、なかなかこういったことを細かく教える指導者というのも少ないのではないかと思います。剣道というのは昔ながらの「技は見て盗め」という文化が色濃く残されているからですね。ですから、わざわざ教えなくても上手い人を見て、そして時間を掛けて稽古をしていれば自然に身に着くことなのかもしれません。

盗む

しかしながら、それではやっぱり時間が掛かってしまいますよね。昔と今とは違います。ですから、私の知っていることは少ないかもしれませんが、少しでも知って貰いたいと思っています。あとは本人の努力次第。

ゆずちゃんが半年後に強くても痛くない打ちが打てるようになっていることを期待しています。

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 - 剣道の基本技

Comment

  1. 中村 より:

    先ほどメールしました中村です。メールで座布団の画像は見られないと言いましたが、プルダウンしましたら見れました。大変失礼しました。言い忘れてましたが自分は現在60歳で5段です。秋に6段を受けるため稽古しています。もう一点ご教示ください。手の内の練習は最初のビデオ〔竹刀の握り手を寄せてする法〕と座布団を打つビデオの練習は両方やった方が良いのですか?よろしくお願いします。

    • 野川 より:

      中村様
      動画が見られたようで、良かったです。
      参考になりましたら幸いです。

      > 現在60歳で5段です。秋に6段を受けるため稽古しています。
      そうでしたか、それは大変失礼しました。
      審査頑張ってください。

      その年代ですと、逆に小さな打ちをしようとするのは逆効果ではないかと思います。手の内の練習はした方が良いと思いますが、速さよりも打突時の冴えを意識すべきではないでしょうか。

      竹刀の握り手を寄せてする方法は簡易的な方法と考えます。実際の稽古では手を離して握りますので、通常の握りを意識された方が良いと思います。
      但し、感覚を掴むという意味では寄せて握った方が手首が自由に動くと思います。

  2. サンソン より:

    具体的な説明や練習法を紹介していただき非常に参考になりました。

    大人達の子供との練習では強く打たないように(痛いから)、という一部のお願いがあり
    しかし「弱く」打つのも剣道ではないのではと説明の方法を考えていたところでした。
    実際子供たちの打ちが一番痛いことがありますものね。

    管理人さんの「時々相手に聞いて確認している」という一言は恥ずかしながら自分には盲点でした。
    一緒に稽古していただく方からの直接のアドバイス、僕も大切にしたいです。

    手の内、冴えの説明を通して「強くても痛くない」打ちの練習を取り入れようとおもいます。

    • 野川 より:

      サンソンさん、コメントありがとうございます。
      私も小心者なので、痛い時に、相手の方に「痛い!」とはなかなか言えませんので、自分の打ちが痛かったとしても言って貰えないのではないかと思います。

      外された時は冗談で「痛い!!!!」と言いますが。(笑)

      冴えって難しいですね。自分で記事を書いておきながら、他にも考え方があるのではないかと試行錯誤中です。

  3. kenndo より:

    自分は打突の冴えとは打った時の鋭さではないかと思っています。実際、冴えを調べてみたのですが頭脳の働きや感覚が鋭いこと。技術などが鮮やかなこと。「勘の―」「包丁さばきの―」とありました。でもやはり打突の冴えにはこの記事で説明されているように手の内が大事である事には変わりありませんね。それと茶巾絞りって雑巾絞りとこんなにも違うんですね。自分も茶巾絞りと雑巾絞りを同じように考えていました。思えば中学から剣道をしているのですが大学生になってから打つ際、絞る時に捻り過ぎを指摘され直しましたが、茶巾絞りを雑巾を絞るイメージで教わっていたからだったんですね。この記事を見てねじり過ぎていた原因が分かった気がします。

    • 野川 より:

      kenndoさん
      いつもコメントありがとうございます。
      「冴え」というのは非常に曖昧な表現方法で難しいですね。
      勉強になります。

      私も絞り過ぎを指摘されたのは五段を受けていた頃だったので、本当に恥ずかしい限りです。

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