実は私は剣道の技の中ではすり上げ技が得意です。得意と言っても、自分の中ではまだまだのレベルなのですが、良く先生方に褒めて頂けるのでそこそこできているのかなぁ・・・と。
しかし、親子というものは知らず知らずの内に似てくるものですね。娘が試合で面すり上げ面を打っていました。完成まであと一歩というところですが、技のタイミングとしては良いと思います。。
すり上げ方がもうちょっとやな。
全然わからん。
私自身、すり上げ技と払い技というのは感覚的にしかわかっていなかったのですが、全剣連の主催する講習会に参加して初めて明確な違いを知ることになりました。
そして、その講習会では今までやったことのない稽古方法を教えて頂くことができ、時々子供達の稽古の中に取り入れることにしたのですが、たまにやる程度ではなかなか身に着けることができないようです。
というわけで、今日は
剣道のすり上げ技を試合で使ってみよう!
ということを記事にしてみたいと思います。実は、すり上げ技はコツさえ掴んでしまえばとっても簡単なんです。そのコツの部分が上手く伝えられるかどうか、多少の不安は残りますが、じっくりお話ししたいと思います。
SPONSORED LINK
すり上げ技のコツ!実は振りかぶり動作と同じ?
まずは大前提として、すり上げ技と払い技の違いを知っておきましょう。
払うという動作とすり上げるという動作は何が違うのかと言うと、
- 払い・・・点で接触する
- すり上げ・・・面で接触する
というイメージですね。解り易く言うと、
- 払い・・・バシッ
- すり上げ・・・スッ
というイメージでしょうか。余計に解り難くなってしまったようで申し訳ないですが、これ以上は上手く説明できません。では、すり上げ技にはどのような技があるのでしょうか。
- 相手が構えた状態から
- すり上げ面
- すり上げ小手
- すり上げ胴
- 小手に対して
- すり上げ面
- すり上げ小手
- 小手に対して
- すり上げ面
- すり上げ胴
また、表からすり上げることも裏からすり上げることもできます。こうやって改めて考えてみると、意外とバリエーションが多くてびっくりしませんか?私は、その中でも面すり上げ面が得意なのですが、その他のすり上げ技に関しても色々と研究をしています。
面すり上げ面に関しては別記事で詳しく解説しましたので、こちらの記事をご覧ください。
さて、すり上げ技というと簡単そうに見えるのですが、子供たちにとっては意外と難しい技のようです。日本剣道形にもすり上げ技が出てくるように、すり上げ技は基本技の一つですので、きちんとすり上げることができるようになるとあなたの剣道もグンと幅が広がってくると思います。
では、早速すり上げ技のコツについて見ていきましょう。すり上げ技のコツはこちらの4つ。
- 表からのすり上げは右手の掌を上にひねる感覚
- 裏からのすり上げは左手の掌を上にひねる感覚
- すり上げ動作は振りかぶり動作の途中の動作
- 一拍子で行う
では、もう少し詳しく見ていきましょう。
SPONSORED LINK
すり上げる動作は掌をひねるイメージ!!
裏からのすり上げの場合は自分から見て右側に、表からのすり上げの場合は自分から見て左側にほんの少しだけ、相手の竹刀の軌道に合わせて円弧を描くイメージです。空に浮かぶ三日月を描くような感じでやってみると良いのではないでしょうか。
その時、手の内の使い方がポイントになります。竹刀は丸いのでそれ程気にする必要が無いようにも思えますが、すり上げ動作は刀の鎬(しのぎ)部分を使って行う必要があります。ですから、木刀を使うと分かり易いのですが、表からのすり上げ動作を行うときは右手の掌が少し上に向くような形ですり上げるのが良いでしょう。
掌を少し上向きにするということは、刃先が相手の中心線ではなく少し右側に開いた形になります。逆に、裏からのすり上げ動作を行う場合は、左手の掌を上に向けるようにするとすり上げ動作がやり易いでしょう。こちらは刃先が左側に開いた形になります。
この時の注意点としては、左手の位置がなるべく自分の中心線から外れないことです。厳密にはほんの少しずらさなければすり上げ動作ができませんが、あまりに大きくずらしてしまうと、その後の動作に無駄ができるので注意してください。
では、もう一つのコツを見ていきましょう。
すり上げ動作は振りかぶり動作の途中の動作
まず、すり上げるという動作に関する基本的な部分です。すり上げる動作と竹刀を振りかぶる動作は同時に行わなければいけません。つまり、すり上げ動作は振りかぶり動作の途中でほんの少しだけ竹刀を遠回りさせるイメージです。
木刀による基本技稽古法の基本3「払い面」の解説部分を読むと「右足を一歩踏み出しながら」と書かれています。こちらは払い技の解説ですが、すり上げ技も同じで踏み出しながらという部分が凄く重要だと思います。
踏み出しながらということなので、勿論一拍子の打突となります。
そうですね、ただ単にすり上げるだけでは実戦でなかなか使えないかもしれません。ですから、次の章ですり上げ技習得に有効な稽古方法を紹介したいと思います。
すり上げ技の習得は相手の打突を受ける動作から始めよう!!
これは全剣連の講習会に参加した時に教わった稽古法です。
- 元立ちが面を打つ
- 竹刀で面打ちを受ける
- 元立ちが面を打つ
- 竹刀で面打ちをすり上げる
兎に角最初は受けるということに徹するわけですね。できるなら、ギリギリまで相手の太刀筋を見極めて、相手の打突が面に当たる直前でサッと竹刀を出して受けられると無駄のないすり上げ技に繋がると思います。そのタイミングが掴めるようになれば、次の段階です。相手の面打ちに対して受け止めるだけではなく、そこからすり上げ動作を行います。
すり上げる感覚を掴むことができれば、あとは打つだけですね。尚、小手に対してすり上げる技を行う場合は、上記の「面」を「小手」に上手く変換してください。
まとめ
今日は私が比較的得意としている技、すり上げ技について取り上げてみましたが、いかがでしたか?もう一度ポイントをまとめてみたいと思います。
まずは、払い技とすり上げ技の違いから。
- 払い・・・点で接触する
- すり上げ・・・面で接触する
そして、すり上げ技を上手に決めるコツとしては次の4点。
- 表からのすり上げは右手の掌を上にひねる感覚
- 裏からのすり上げは左手の掌を上にひねる感覚
- すり上げ動作は振りかぶり動作の途中の動作
- 一拍子で行う
稽古方法としては、まずは相手の打突を受ける練習をしてタイミングを掴みます。その後にすり上げ、そして打突に繋げられると良いでしょう。個人的なイメージですが、払い技は強引、すり上げ技は相手の力を利用するような印象を持っているので、すり上げ技が大好きです。
すり上げ技で最近時々使っているのが、こちらの技。
面すり上げ胴ですね。凄く渋い技だと思いませんか。ちょっと玄人好みの技ですよね。そして、何より、面すり上げ面の打ち難い相手というのは、完全に胴が開いている状態になるので面すり上げ胴が打ち易い相手ということになります。
こういう技もあるということを知っておくと、技のレパートリーが増えて楽しいですよね。
SPONSORED LINK
コメント