この前の日曜日の昇段審査で中学2年生の娘が二段に合格することができました。これも偏にご指導くださった先生方のお陰です。本当にありがとうございました。
今日もポチッとお願いします。
にほんブログ村
合格発表直後に、Twitterで娘が合格したことを書いたところ、Sさんからこのようなコメントを頂きました。
息子(中2)は、先週、初段に挑戦させて頂きました。本人達も緊張していましたが、見ている親も、胃が痛かったです。
部活動だけではなく、出稽古するのが良いと思います。
ちなみに、私は部活動を否定しているわけではありませんが、うちの娘は部活の回数と同じだけ外で稽古をしています。それでもなかなか思うようには上達しませんが、部活だけで満足していたらもっと下手糞だったと思います。私に似て遺伝子レベルでどんくさいので・・・
というわけで、今日は
出稽古のスゝメ
ということで書いてみたいと思います。
SPONSORED LINK
学校の授業でわからければ塾に行くんでしょ?
Sさんは二段の審査は難しいという印象を持っておられるようですが、実際はそんなことはありません。
昇段審査は都道府県によって方法が違うのですが、滋賀県では初・二段の実技審査は切り返しと短時間の稽古を2回行います。娘の立ち合いはこんな感じでした。(小さい方が娘です)
この会場の二段の合格率は約75%でした。不合格だった子の立ち合いを見ていなかったので良くわかりませんが、25%もの子が不合格になっているということで厳しい審査のように思えるかもしれません。しかし、初段・二段の審査は試合と違うので、正しい基本動作ができていれば全員が合格できる内容なんですよね。ですから、決して厳しい審査だったとは思いません。
問題は、受審者やそれを見ている保護者側から見て『何が良くて何が悪いのかわからない』という点ではないでしょうか。わからないから難しいと感じてしまう。ただそれだけでしょう。
そういう点でも出稽古はおすすめです。出稽古先には審査に詳しい先生や審査員をされている先生も多数在籍されているかもしれませんので、色々と知ることができるでしょう。
Sさんの息子さんのT也君(中2)は出稽古には行かず、剣道の稽古は学校の部活動だけだそうですが、部活動である程度の結果を出そうと考えた時、部活動での稽古を頑張ることは最低ラインだと考えます。何故なら、部活動というのは生徒も先生も自主活動。かなりの制限がありますよね。時間的制約もありますし、教員の過労を取り沙汰されている昨今では顧問の先生にも無理をお願いできない状況です。
例えば、
と考えた時、どうすれば良いでしょうか?T也君はもしかすると、学校で授業を受けているだけでトップクラスの点数を取ることができるかもしれません。でも、殆どの子はそうはいかないですよね。だとすると、選択肢としては次の3つくらいではないでしょうか。
- 塾に入って勉強する
- 親に勉強を教えて貰う
- 参考書・問題集を買って自分で勉強する
最近は塾が大流行のような印象が強いですね。塾に入ると安心するというか、塾に行かないと勉強しないという子も多いとか聞きますが、うちの娘は塾には入っていません。勉強が嫌いなわけではありませんし、成績が悪いわけでもありません。『自分で勉強する』という選択肢を選んでいるだけです。
では、剣道はどうでしょうか?うちの娘は部活動だけでは不十分と考えて他の方法を模索しています。
- 部活動以外で稽古する
- 自宅で打ち込み・素振りをする
- 親に剣道を教えて貰う
という3択でしょうか。しかし、親に剣道を教えて貰うというケースは非常に稀ですね。親が剣道をわからない場合もありますし、親が剣道の知識があってもなかなか親の教えは聞かないものです。(苦笑)
また、自宅で打ち込み・素振りというのもなかなか続かないという場合が多いと思います。間違った素振りを何百・何千・何万回したところで、悪い癖がつくだけという事も有り得ます。それに、実際に相手を打つということを考えると、実戦に繋がらない部分も多いでしょう。
ということは、残っているのは部活動以外で稽古するという一択になってしまいます。
では、出稽古に行くとどのようなメリットがあるでしょうか?
出稽古のメリット
あなたは既に気が付いていることと思いますが、剣道というのはなかなか急激な成長というのは見られません。よく言われるのは、
剣道の稽古は薄紙を一枚一枚積み重ねていくような作業
ということです。コピー用紙よりも薄い紙、100回稽古しても1cmも上達していないんです。でも、確実に上達しているんですよ。それが100枚、200枚と重なって行くことで、気が付けばいつの間にか上達しているものです。
ですから、残念ながら一度や二度で稽古に行ったところでその成果は現れません。そのことを念頭に置いて、想像してみてください。
一年後、団体戦でチームの要として絶大な信頼を得られる人物になっている自分を・・・
そんな風に思われる存在になっているのではないでしょうか。
そして、大事な場面で見事に二本勝ち!!
技術的なことだけではありません。出稽古に行くということは、それだけ他のことに費やす時間を削って辛い稽古に耐える必要があるわけです。そんな頑張りを他の人が知らない訳はありません。
しかし、出稽古に行くということはメリットばかりではありません。その辺りのことも考慮する必要があります。
SPONSORED LINK
出稽古のデメリット
出稽古というのはメリットばかりではありません。必ずデメリットがあります。例えばこちら。
- 出稽古に参加するきっかけが掴めない
- 礼儀作法がわからない
- 時間に束縛される
- 2部練など体力的にキツい
- 色々なことを指導される
まず、出稽古に参加するきっかけが掴めないという場合、人を頼りましょう。既に余所で稽古している人は必ず居るでしょう。顧問の先生を頼るのも一つの方法です。
と、直接聞いてみるのも良いでしょう。アツい想いに応えてくれるはずです。
そして、出稽古に行くことになったとしても、どうすれば良いのかわからない場合がありますよね。そんなことのないように、まずは出稽古先で一番偉い先生に挨拶しましょう。できれば他の先生方にも「宜しくお願いします」と。稽古が終わった後にもお礼を言いに行きましょう。
剣道って、それだけでOKな部分があります。礼儀正しくしていれば、
って思うはずです。何故なら、頑張る人が好きだから。
それから、出稽古というと、夜が多いですよね。となると、見たいテレビも見られなかったり、学校の宿題ができなかったり、他にも色々な時間が足りないということが出てくると思います。
しかし、時間の管理というのもあなたが成長する上でも重要なことなのです。これから、高校へ進学し、大学、そして社会人になると考えた時、最も重要な部分ではないでしょうか。ですから、時間が無いと諦めるのではなく、時間を作るという考えを持つことで自分をより成長させることができるはずです。
最後に、出稽古の最も大きなデメリットについて触れておきましょう。
最も難しいのが色々な先生に色々な指導を受けることかもしれません。先生によって違うことを言ってくる可能性も高いです。しかし、物事の本質を見極める力を付けるチャンスでもあります。元々は同じことなのに表現が違うだけということも多々あります。
わからないことは詳しく聞くということも大切ですが、そこから更に自分で考えるということを心掛けましょう。
まとめ
今日は出稽古のすゝめということで、色々と思っていることを書いてみました。
福沢諭吉は『学問のすゝめ』の中で、
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」
と書いています。昔は勉強をしたいと思っても、身分の違いなどでできない人も多かったようですが、本来は勉強したいと思う人は身分の違いなど関係なく勉強をするべきということでしょう。
剣道も同じです。
そう思ったら、自分から行動するべきでしょう。待っていてはそのチャンスは永遠に訪れません。人の心理は変化を嫌うそうです。今のままが一番ラクなのです。
でも、それで良いのでしょうか?
これから先に訪れる、中体連、昇段審査。現状のままでも自分の納得できる結果が得られるならそれも良いでしょう。でも、
という不安が多少でもあるのなら、何か行動をすべきではないでしょうか。それが出稽古なのか、自宅で素振りなのか、打ち込みなのかはわかりませんが、プラスαが必要でしょう。
一年後には中学3年生。中学最後の夏の大会がありますよね。試合直後に『今までもっと稽古しておけばよかった』と後悔するのか、それとも・・・
と、思えるのか。どちらが良いのか考えてみましょう。中学生活はあっという間に終わってしまいます、何かに真剣に打ち込むのも良いものですよ。チームメイトから絶大な信頼を得られる選手になってみてはいかがでしょう?
正直に言いましょう。私自身は後悔したことがあります。
あの時、もっと稽古しておけば良かった・・・
と。あなたに同じ思いをさせたくは無いのです。
SPONSORED LINK