パラドックスの体現


剣道は武道なのかスポーツなのかというのはある意味パラドックスだなぁと。とある留学生の弁論を聴いて更に強く感じることになりました。

武道は他のスポーツとは違うって言っても、武道をスポーツに含めている時点でどうかと思ってしまいます。でも、体を動かすという意味ではスポーツ。現代剣道はスポーツとしての側面の方が大きいように感じていますが、それはそれで良いのかもしれません。

突き詰めていくことで、スポーツではなく武道として捉えれば良いと30年以上掛かってようやく思えるようになりました。26歳の留学生にはまだまだ解りますまい・・・

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もう、武道とか剣道とかスポーツとかではなく、人生そのものがパラドックスですよね。

人間とは、パラドックスの体現であり、矛盾の塊である

-オーギュスト・コント-「ラコン」より

そう言えば、先日の稽古の時に手と足のタイミングが合わない中学生を見て、

まぁ、あれも間違いではないのかも・・・

と感じた出来事がありました。

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気剣体一致のパラドックス

剣道で大事なのは気剣体の一致。一番重要なのは気ですが、剣と体も一致していなければなりません。つまり、打突と踏み込み動作が同時というのが大前提。しかし、現代剣道では打突が先、踏み込みがその直後という風潮になっています。

剣道雑誌に掲載されている写真などを見ても、右足が浮いている状態で打突しているという写真を良く見掛けますよね。何なら、両足が空中に浮いている写真だって見たことがあるかもしれません。

だから、打突と踏み込みが同時とは言いますが、目指すところは打突が先で踏み込みがその直後という感じで指導される場合も多いのではないかと考えます。

ところが、なかなか足と手のタイミングが合わないという人も居られます。足が先に着地してしまうパターンですね。僕自身も最初はそんな感じだった記憶があります。もしかしたら、今もそうなっているかも・・・小中学生の初心者には意外と多いようですが、これも間違いとは言い切れないなぁという話です。

確かに、現代剣道では気検体の一致した打突ではないので有効打突と認めることはできないかもしれません。審判をしている時には旗を上げ辛いですよね。

しかし、昔の強い剣道家達はそれに近い打ち方をされていたというのです。そんな内容の話を稽古後にされていたのはM本教士。というのも、踏み込みというもの自体がほとんど無かったと。つまり、すり足で打突するということですね。これは調べたり年配の先生方に聞いたらわかるかもしれません。

現代剣道においてもすり足での打突の場合は左足の引き付けと同時に打ちます。ですから、右足は打突よりも先に前に出て踏ん張っている状態。

どうやら右足を踏ん張った状態でなければ斬ることができないというのです。

色々な文献を読んでいると、『船の上のような足元が不安定な場所での戦いとなったら踏み込み足では斬れない』という意味合いのことが書かれていました。なるほど、そう言われれば納得ですね。

ですから、前述した『打突の後に踏み込む』という方法はどうなんだ?という話ですね。逆に現代剣道ではスポーツ的な要素が多いので勢いを出すという意味で踏み込む必要があるのでしょう。

要するに、『気剣体の一致した打突じゃないよ!』と言われた場合の言い訳として

昭和初期以前の剣豪の間ではこの打ち方が正しいんです!!

なんて、言えるわけないですけどね。(笑)

ですから、現代剣道を続けて行くことはパラドックスの体現なのかもしれません。なんて、やらなきゃいけないことあるのに連休最終日に現実逃避をしている管理人でありました。

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ABOUTこの記事をかいた人

剣道錬士六段のしがないサラリーマン。
子供と一緒に稽古をするのが唯一の楽しみです。