審査

どのように表現するべきか

冒頭の画像は息子の卒業制作です。いつから始まったのかわからないのですが、小学校を卒業する時に、自分の好きな漢字を大きな紙に書くことになっています。娘の卒業制作は「志」でした。息子の場合は「透」。いくつかの候補を考えて、最終的に自分の名前に関係のある文字を選んだようです。

私は書については全くの無知なので、よくわかりません。しかし、うまく書けていますよね。

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卒業制作では自分のことを上手く表現するという意図があるのかもしれません。子供達は恐らくそこまで考えていないと思います。しかし、毎年年末には「今年の漢字」なんてものも話題になる通り、日本人にとって漢字というのは心を動かすものでしょう。

ですから、卒業制作で自分を表す漢字を書いて表現するということは素晴らしいことだと思います。私が小学生の時には無かったのですが、やってみたかったですね。ま、習字の時間が大嫌いだったので、小学生の時だったら凄くイヤだったかもしれませんが。(笑)

ところで、書道というのは芸事の一つですよね。芸事なのか芸術なのか良く分からなかったので調べてみたところ、岡本太郎氏がこんなことを言っていたということを知りました。

「芸術」が、ほかの人が受け入れてくれるかどうかを気にせず、「新しさ」や自らの主張そのものを尊重するのに対し、「芸事」は、過去に正しいとされた形を継承していく姿勢を尊重している。

ですから、息子の卒業制作はどちらかと言えば「芸事」なのでしょうか。

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自分を表現するということ

剣道は武芸です。つまり、芸事の一つ。単なる殺し合いではないということですね。芸術ではなく、芸事なので、岡本太郎氏の言葉を借りれば過去に正しいとされた形を継承していくということになります。自分勝手な表現方法ではダメということですよね。

日曜日は県の昇段審査でした。私は出掛けていたので、見学はしていません。不合格になった人はどうしても悩んでしまうのではないでしょうか。とある方の立ち会い動画を見せて頂きました。残念ながら四段を受審されましたが、合格することはできなかったとのこと。

動画を見た感想は、

合格でもいいんじゃないの?

という感じでした。立ち会いは2回行われますが、その内の1回は凄く良かったように思えたのです。しかし、残念ながら、もう一方の立ち会いに関しては相手の方に動かされているような印象を受けました。

昇段審査は2回の立ち会いを行って、両方ともに上手くできなければ合格できないというわけではないと思います。その為に2回行うのですから。しかし、だからと言って、ダメな立ち会いをしてはいけないでしょう。悪くても互角以上。

そして、自分の取り組んできたことを短い時間の中で上手く表現することができれば、合格できるのではないでしょうか。

四段であれば、やはり攻めでしょう。

その方の立ち会い動画を見ると、1回の立ち会いについては、自分の攻めに対して相手が動いているように見えました。しかし、もう少し上手い表現方法があるようにも思えました。攻めているということを相手にわからせるという表現でしょうか。それができれば、審査員の心も動かされるのではないかと思いました。

ですから、もう少し大袈裟というわけではないのですが、圧力を掛けるような攻めが表現できれば少し変わるのではないでしょうか。

武芸も芸事なので、正しい形を学んで稽古をし続けることで、攻めに関しても上手い表現方法を身に着けることができるでしょう。

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剣道中毒管理人

剣道錬士七段のしがないサラリーマン。 子供と一緒に稽古をするのが唯一の楽しみです。

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