私が住んでいる滋賀県では、年に3回昇段審査会が行われています。滋賀県は比較的剣道人口が少ない県なので、初段から五段までの審査を1日で行うことになっていて、次の昇段審査が1か月後に迫ってきました!!
冬場の中学生は学校の下校時間が早く、部活動の時間がとても短いようですね。中学生が焦って出稽古に参加しはじめました。急に稽古したってダメだと思うのですが。(笑)
ところで、剣道の昇段審査と言えば・・・
ちなみに、受審されたのは何段ですか?
なんて会話を良く聞きませんか?実は、剣道は四段からが難しいと言われます。私も最初の躓きは四段でした。実は、私の周りにも私と同じように四段で躓いた人というのは意外と多く・・・未だに四段で迷いの森を彷徨っている人もかなり多いようです。
私の稽古仲間M田君は前回の昇段審査でようやく四段に合格されました。はっきり言って、私よりも強いんです。でも、何故か昇段審査ではパッとしない立ち合いが続いたようで・・・
前回の昇段審査は見学に行ったのですが、なかなか良い立ち合いをされていました。というわけで、今日は
四段の昇段審査はどういうことが求められるのか!?
ということについて考えてみたいと思います。最初の壁と言われる四段審査ですが、実は合格された方は皆さん『終わってみれば簡単なことだった』と言われます。では、その簡単なこととは何でしょうか?
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四段の昇段審査は三段までと違う?求められるのは攻めだった!
プロフィールとしても書かせて頂いているのですが、私は昇段審査では非常に苦労している部類だと思います。四段に合格したのは26歳と、今思えば比較的若い年齢で合格させて頂いたのですが・・・
9回目の挑戦でようやく合格を頂きました。意外と苦労してます。その後、五段の審査では、ナント!!15回目でようやく合格。五段審査で苦労していた時、審査をして頂いた先生にアドバイスを頂いたことがありました。
その中で、審査内容が三段までと四段以上とでは全く違うということを学びました。三段の審査に関してはこちらに詳しく書きましたので、是非参考にしてみてください。
では、最初にこちらの動画をご覧ください。
動画を見た最初の感想は、
という感じだったのですが、6分45秒くらいからの立ち合いを見て「はっ」としました。なかなか良かったと思います。
四段はこれです。(笑)
わかりませんよね。
三段までの審査というのは、基本動作ができているか否かというところを主に見られるそうです。高校生で三段受審している場合は違うかもしれませんね。高校生で三段を受けるような子達は綺麗な剣道をされますから、基本だけで合否判定は難しいかもしれません。
しかし、一般の場合は多少相手に打たれていても、自分がきちんと打てていれば合格できるものと思います。ところが、四段以上になるとそれだけではダメなんですね。では、何が必要なのでしょうか・・・
四段に求められるのは、次の2点だと思います。
- 攻めて相手を引き出すこと
- 相手の技をしのぐ(打たせない)
この2点ができなければ四段合格は非常に難しいでしょう。では、それぞれについて具体的に見て行きたいと思います。まずは相手を引き出すということについて。
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相手を引き出せば剣道四段は合格できる!!
四段合格の秘訣は、相手を引き出すことと言われても・・・
ですよね。そうなんです。簡単にできていたら合格できているんです。でも、四段以上の人っていうのは、ここを意識しているかどうかというところなんですね。
確かに自分より実力が上の人との立ち合い、稽古では相手を引き出すなんていうことは難しいと思います。しかし、自分より格下の相手、同等の相手との稽古ではどうでしょうか。
まずは格下の相手との稽古で相手を引き出す感覚を身に着けることこそが四段合格の近道ではないかと考えます。
どうすれば相手を引き出すことができるか
問題は、どうすれば相手を引き出すことができるかということですよね。その感覚を掴まなければ始まらないのですが、こればかりは稽古で身に着けるしか方法がないでしょう。
いくら文章で書いても、良い参考資料を読んでも、実践して感覚を掴まなければ何にもなりません。しかしながら、昇段審査で苦労した私としては、苦労されている方の気持ちが大変良くわかります。私もその当時は雲を掴むような話だと思っていました。
ですから、ほんの少しだけヒントを示したいと思います。ですから、最初からできているエリート剣道家の人はこの先は決して読まないでください。(笑)
私が審査で苦労していた時に、良く言われていたのでわかった気になっていたけど実はわかっていなかったという言葉がありました。それは、「剣道は打って勝つな、勝って打て」という言葉です。攻め勝ってから打てということですね。つまり、剣道において一番大事なのは攻めなのです。
そんなことは言われなくても知ってると思っているかもしれませんが、大事なことなのでもう一度確認しておきましょう。剣道は「攻め」「ため」「打突」と言われるように、攻めがなければ始まりません。「攻め」と「ため」に関してはこちらの記事も参考にしてください。
と仰る先生も居られますが、応じ技も攻め無くしては有り得ません。待って応じる応じ技ではなく、攻めて相手を動かして応じる応じ技が求められているのです。
つまり、相手を引き出すということは相手を動かすということなのです。
そして、相手を引き出すには、激しい気迫で相手を攻めることが必要です。いつでも打てる体勢を保ち、『打つぞ!』という気迫で相手を追い込むのです。そして、たま~~に隙を見せることも有効的です。この辺りが非常に難しいところだと思いますので、日頃の稽古で意識して取り組みましょう。
これが相手を引き出すということなのだと思います。攻められて打たれてから応じ技を打っても四段の審査では評価されないので注意しましょう。
さて、攻撃は最大の防御とは言いますが、相手も同じことを考えているので確実に狙って打ってきますよね。ですから、打つことだけを考えていても駄目な場合もあります。実は、四段の昇段審査では打たれない技術も必要なのです。
打たれ過ぎはNG!相手の技をしのぐ技術を身に着けよう!
実は、自分も含めて四段以上の昇段審査で合格した人に共通して言えるのは、殆ど打たれていないということです。私の四段審査はかなり昔なので全く覚えていないのですが、五段の審査も六段の審査も相手の有効打突は1本あったかなかったかというところでした。
私の知り合いで、六段審査で10年以上も苦労されていたH先生という方が居られるのですが、その先生も
と仰っていました。
そして、それを裏付けるかのように、とある八段の先生も
と言っておられたのを思い出しました。要するに、打たれてはいけないということではないでしょうか。但し、ただ単に相手の打突を避けるということではありません。ここでも、自分から攻めることが重要なポイントとなります。
自分から攻めて、打突に繋げることができるのなら、打突をして有効打突を奪うのが最善でしょう。しかし、そう上手くいく場合ばかりではありません。上手く表現できませんが、攻めが不十分であったり、自分の準備が不十分な時もあるでしょう。そういう時の相手の打突は無理せず捌けということです。
勿論、相手の打突を捌く時でもなるべく構えが崩れないようにするのが良いでしょう。打たれないということも必要な技術なのです。
自分は有効打突を取る。そして、相手には打たせない。これで、パーフェクトです。但し、お互いに合格するケースもありますよね。お互いに良い攻めをして、お互いに良い打突があれば双方ともに合格することも可能です。
ですから、相手に一本や二本打たれたからと言って焦る必要はありません。そこからは気持ちを切り替えて打たせないようにしつつ自分から攻め返しましょう。
まとめ
剣道において、四段の昇段審査を突破するということは一つの壁ではないかと考えます。特に、30代以降に剣道を始められた方や大人になってから剣道を再開されたリバ剣と呼ばれる方々にとっては非常に難しいでしょう。
そして、不合格の回数を重ねる度に、色んな先生から色んなことを言われます。先生によって言うことが違うから困りますよね。聞けば聞くほど頭の中がごちゃごちゃ!あなたはいつの間にか審査という迷宮に迷い込んでしまうことになるでしょう。
実は、皆さん言いたいことは一つだけなのかもしれませんが、ニュアンスが少し違うだけで全く違う意味に思えたり。剣道って難しいです。(笑)
自分が合格して暫くすると、色んな先生の色んな意見が一本の筋道を立てて繋がっていることに気が付くかもしれません。でも、迷っている時は何を聞いても迷ってしまいます。何が正解で何が不正解なのかわからない状態です。
ですから、そういう情報は遮断するのが良いでしょう。本当に信頼できる先生の教えだけを守るべきなのです。色んな人のアドバイスを聞くことは失敗に繋がります。
もし、あなたが本当に四段合格を目指すなら、自分の立会いをとことん研究してみてください。合格者にできていて自分ができていないことを考えてみましょう!
きっとそこには自分勝手な剣道をしているあなたがいるのではないでしょうか?
剣道は「攻め」「ため」「打突」ですが、その中でも「攻め」と「ため」が重要ですね。ここを意識して、稽古に励んでみてください。剣道は相手の人と一緒に良い作品(立ち会い)を作っていくものです。
是非、お互いに良い技を出し合って合格してみてください!
他にも昇級審査・昇段審査関連の記事を書いていますので、是非ご覧ください。
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