『富の8割強が2割の富裕層に集中』なんてことを聞いたことがないでしょうか。これはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した『パレートの法則』と言われる冪乗則(べきじょうそく)です。
もしかすると、あなたはパレートの法則という名前は知らなくても、『80:20の法則』とか『20:80の法則』というのは聞いたことがあるかもしれません。そして、これは世の中の色々なことに当てはまる経験則なんだそうです。
今日もポチッとお願いします。
ブログのアクセス数を見ても、一般的には全体のアクセスを稼いでいるのは2割の記事と言われています。そして、サイト全体のGoogleからの評価を上げたい場合には、残りの8割の記事を思い切って削除してしまう方が良いんだそうです。なかなかそんな大胆なことはできませんが・・・
実は、『パレートの法則』は剣道の昇段審査にも当てはめることができると、昨日の講習会で先生が言っておられました。どういうことなのでしょうか。
SPONSORED LINK
剣道は非常にシンプルなもの・・・かもしれない
昨日の講習会では最初に基本稽古がありました。内容はいつも言われていることだったので、特に目新しいものはありません。できる、できないは別の問題ですが、内容は至ってシンプル。難しい技も無かったと思います。強いて言うなら、面すり上げ面くらいでしょうか。
技の種類は非常に少なく、厳選された内容。実はそれでも多いくらいかもしれません。なぜなら、昇段審査は非常に短時間なので、その短い時間に打つ技と考えると多くの技は不必要だからです。
よく、『審査では有効打突が2本あれば良い』と言われます。ですから、難しい技を打つ必要は無いのです。逆に、難しい技を打って失敗したり、姿勢が崩れるようなら打たない方が良いということでしょう。
以前紹介したことがあるYouTube音声で若林耕多先生が『ヤー!面!!って打てたら八段が受かる』と言っておられたことを思い出しました。記事はこちら。
つまり、剣道の技は組み合わせによっては非常に多くの種類がありますが、昇段審査に必要なのはその内の2割なのかもしれません。合格条件の8割を占めるのはたった2割の技と言えば良いのでしょうか。
何をしないかを決める
先生はスティーブ・ジョブズの言葉を引用されました。
最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ。
限られた時間の昇段審査において、何をしないのかということを決めることが重要なのだと。余計な物は要らないのです。
ジョブズについて調べると「引き算発想」や「引き算の美学」なんて言葉が浮かび上がってきます。
剣道においても同じかもしれません。多くの技が使えることはとても重要です。しかし、たった1分や1分30秒しかないのなら、何をしないのかということを決める必要があるということ。余計な物をそぎ落とし、良い部分だけを出すことに努めるべきでしょう。
しかし、スティーブ・ジョブズはこんなことも言っています。
Simple can be harder than complex.
シンプルであることは、複雑であることよりも難しい。
シンプルは簡単ということではありません。前述したYouTubeでは簡単に『ヤー面』って言っておられましたが、
っていう話ですよね。
しかし、日頃の稽古で必要なことにより多くの時間を掛けて修練するということが、結果に繋がるのではないかと考えます。
まとめ
要するにこんな感じでしょう。
- 昇段審査では余計なことはしない方が良い
- 最初から「しない事」を決めておくべき
- 必要な技の稽古に時間を費やすべき
昨日の講習会の肝の部分を全て話すわけにはいきませんが、審査で出す技としては次の4本だけで良いということになります。
- 出端面
- 出小手
- 小手面
- 玄妙なる技
これは極論かもしれません。しかし、短時間の昇段審査では必要でないことをするのではなく、シンプルに立ち合いを組み立てるべきかもしれません。また、『審査は演武的な要素もある』と言っておられたので、魅せることも必要なのでしょう。
そう言えば、学生時代の物理の先生がよく
って言っていたのを思い出しました。物理の試験なのに英語で出題したりするので本当に大嫌いな先生だったんですけどね・・・
これって、『これ以上削る物は何もない』ということだったんですね。今度の稽古からは、余計なことをしないように努めたいと思います。ついつい色んなことをやってしまうんですよね。その方が楽しいから。(笑)
なんというか、例えば相手の人がちょっと変わった技を出してくるじゃないですか。すると、『それ、僕もできるよ!』って見せたくなっちゃうんですよね。本当に自戒します。
高段になればなるほど、シンプルな技を打つべき!!
どの口が言う?って感じですけど・・・
SPONSORED LINK