小学6年生のゆずちゃんが剣道の構えについて悩んでいるようです。
確かに、ちょっとだけこうした方がいいかなって言うのはあるな。
何ですか?どうしたらいいんですか?
ゆずちゃんは、試合ではよく小手を打たれるのですが、実はその原因も構えにあると思っています。左手の位置はとっても重要ですね。
ただがむしゃらに稽古するだけでは駄目ですね。そろそろ構えの改善に取り掛かる時期かもしれません。
というわけで、今日は剣道の構えにおいて左手がいかに重要かということについて考えてみたいと思います。
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剣道において右手は舵、左手はエンジンの役割り
剣道において、構えというのは非常に重要です。例えるなら、自分の城ですね。城を攻め落とされたら負けてしまいます。ですから、強固な城を築かなければなりません。
そんな構えの動画がこちら。
すぐに構えられるペーパークラフトだそうです。よくわからない場合は何度も繰り返し再生してみてください。不屈の剣士だそうです。(笑)
そして、このペーパークラフトのように常に正しい構えができていれば、そうそう打たれることはないでしょう。しかし、正しい構えができているからといっても、そのままでは守ることはできても攻めることはできません。
ですから、攻めも守りもできる正しい構えができていることが理想的と言えます。
現代剣道の構えの種類は色々ありますが、実戦で使用されているのは上段の構えと中段の構えが殆どですね。日本剣道形には下段・八相・脇構えもありますが、それらの構えも含めてやはり重要なのは左手ではないでしょうか。
左手だけが重要というわけでもないのですが、まずは左手の収まりというのが一つのポイントになってくるでしょう。かく言う私もまだまだなのですが・・・
一般的に、剣道においては右手は舵の役割りをし、左手はエンジンの役割りをすると言われています。舵も大事ですが、エンジンが始動しなければ舵の意味がありませんからね。
今回、小学生のゆずちゃんが指摘されたのは、勿論中段の構え。実は前々から気が付いていたのですが、ゆずちゃんは構えた時の左手の位置が中心よりも少し右側に寄ってる感じですね。
では、ゆずちゃんの構えを矯正すべく、剣道の正しい構え方について具体的に見ていきたいと思います。
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剣道の構え!左手を正中線が基本?
剣道を習い始めた頃、構えの左手の位置はどこって習いましたか?
臍の前、握り拳一つ分前!
中学生の時にこのように教えて頂きました。つまり、柄頭が真ん中(正中線)を通るようにという教えですね。
ですから、小学生に教える時には同じように教えています。相手が剣道を始めたばかりの小学生なので、ややこしいことを言っても無理ですからね。何となく構えができてる程度の教え方です。(笑)
でも、小学生と言ってもどんどん成長するので、その成長過程において構えも変化していかなければならないと感じています。
上記の構えの説明は間違いではないと思います。でも、私が現在心掛けている構え方は少しだけ違うので、ゆずちゃんにはその構えを強制的にやらせてみたいと思います。(笑)
では、行ってみましょう。
左手親指の第一関節を正中線上に?
佐藤忠三範士九段の教えによると、左手親指の第一関節(指先側から数えて一つ目の関節)が正中線上に来るように構えると良いそうです。実際にやってみると、実に理にかなっているのではないかと感じます。
その理由は以下の通りです。
- 左手の手首の角度に余裕ができる
- 剣先が自然に相手の左目を指す
(竹刀の長さが解り難い) - 右足前の構えなので多少右半身になるべき
- 右小手を自然に竹刀で隠すことができる
このような位置に左手を位置して構えてみると、竹刀の柄頭ではなく、柄の真ん中辺りが正中線を通ることになりますね。その結果として、少しだけ右半身の構えになります。
そして、この構えの利点としては右小手が相手から狙い難くなるという点です。竹刀に少し傾斜が付くことによって、右小手を守るような形になります。
そして、剣先の延長線上を相手の左目の位置につけることによって、相手からは竹刀の長さが解り難くなると共に、相手に威圧感を与えることができます。
是非試してみてください。
まとめ
今日は剣道の構えにおける左手について考えてみましたがいかがでしたか?本当のことを言うと、これが正解か否かというのはわかりません。
現に、範士の先生と稽古をした時に、自分は構えているつもりでも普通に突きを打たこともありました。しかも、突きを打たれた後に柄頭を「ポンポンッ」と。かなり屈辱的ですよね。(笑)
自分の構えもまだまだなんだな~と実感させられた、忘れられない出来事でした。しかし、小学生にはまだそんなことをされないレベルだと思っていますので、小学生のゆずちゃんには十分参考になると思っています。
さて、もう一度記事をおさらいしてみましょう。
小学生低学年や初心者に剣道の構えを指導する場合は竹刀の柄頭が臍の前に来るように構えると教えています。剣先高さについては延長線上が目の高さと教えるでしょう。眉間の位置と教える方もおられるかもしれませんね。
しかし、私が現在取り組んでいる構えは左手親指の第一関節が正中線を通るようにしています。そうすることによって、剣先が真ん中ではなく、自分から見てほんの少しだけ右側にずれることになります。
ですから、剣先の延長線上が相手の左目を指すような構えになります。
この構えのメリットは下の通りです。
- 左手首の角度が緩やかになり余裕がある
- 右小手を隠すことができる
そして、面を打つ時にも小手を打たれ難くなります。若干ですが。(笑)
しかし、剣道の構えと言うのは人それぞれの体格や性格、剣風に合った構えがあると思いますので、これを基本として各自が工夫をしていく必要があります。
ほんの少し剣先を下げるだけでも、相手の印象は全然違ってくると思いますし、それによって打ちやすいタイプの人であったり、逆に打ちにくくなることもあります。
また、応じ技や返し技、すり上げ技などが得意な人の場合にもまたちょっと違った構えになるかもしれませんね。色々工夫してみて、自分に一番合っている構えを見つけましょう。
かなり大変な作業だとは思いますが。
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