我々が学生の頃は聞かなかった言葉を最近よく見掛けるようになりました。それは、体幹トレーニング。どうやら、あらゆるスポーツにおいて体幹トレーニングが重要だと言われるようになったのは約20年前からなんだそうです。だから馴染みがないんですね。私はとっくに社会人になってましたから・・・
しかし、体幹トレーニングって一体何の為にするのでしょう?小学5年生の息子に質問されても答えることができませんでした。
インナーマッスルってやつじゃないかな。体幹を鍛えると・・・どうなるんやろ?
イメージでは何となく理解しているつもりだったのですが、やはり言葉で説明するのは難しいですね。
というわけで、今日は
剣道は体幹が大事?素振りで鍛える方法はあるの?
というテーマを取り上げてみたいと思います。20年前まではスポーツ界でも体幹を鍛えることには全く着目されていなかったそうです。それがどうして現在は体幹を鍛えることを勧めるようになったのでしょうか?
この記事では、まずは体幹とは何か、そして体幹を鍛えるとどうなるのか、更に剣道において体幹を鍛えることは可能なのかということについて見ていきましょう。
何となく取り入れていた体幹とレーニングもきちんと意味を知れば取り組み方も変わってくるかもしれません。是非最後までご覧ください。
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体幹って何?
ここ数年、中学校や高校などの部活動では体幹トレーニングを取り入れているほところが非常に多くなってきました。私の大好きな高倉先生のDVDでも『体幹を整える』というテーマのものがあったくらいです。
では、体幹って何でしょうか?最近はよく聞くようになった「インナーマッスル」「コアマッスル」も同じことを指すのでしょうか?
体幹とは胴体部分のことだった!
体幹とは読んで字の如く「体の幹」のことです。つまり、頭部・腕・足以外の胴体部分。具体的には次の通りです。
- 胸
- 背中
- 腰回り
- 腹筋
- お尻
その中でも特にスポーツなどで重要とされるのが、インナーマッスルと呼ばれる部分。もちろん剣道でも重要です。では、インナーマッスルとは何でしょうか?
インナーマッスルとは?
インナーマッスルと定義されているのは「腹腔(ふくこう・ふっこう)」です。具体的には次の4つの筋肉に囲まれたお腹部分を言います。
- 横隔膜(上部)
- 腹横筋(お腹周り)
- 多裂筋(背中側)
- 骨盤底筋(下部)
また、この部分のことを「コア」や「コアマッスル」とも呼びます。ですから、一般的な体幹トレーニングはこのコア部分を鍛えるトレーニングを指す場合が多くなっています。
では、体幹を鍛えるとどのようなメリットがあるのでしょうか?特に剣道ということについて考えてみましょう。
体幹を鍛えると剣道においてどんなメリットがある?
剣道と言えば、竹刀操作をすることから、腕の筋力や握力が強い方が有利なイメージがあります。確かに、それは否めません。しかし、いくら腕の筋力が強かったとしても、それを支える体幹部分がしっかりしていないと上手く操作できません。
ですから、最も重要なのは体幹ということになるのです。
実は、剣道やスポーツ以外でも体幹の強さというのは必要。例えば日常生活を思い出してみてください。例えばこちら。
- 重い荷物を持ってもよろけない
- 日頃から良い姿勢を保つことができる
- 通勤電車で立っていられる
実は、体幹がしっかりしていないとしっかりと立つことも難しくなってきます。その為に、疲労が蓄積しやすくなったり、息切れすることにも繋がるのです。
では、剣道の場合を考えてみましょう。体幹を鍛えるとどのようなメリットがあるのでしょうか。色々と考えられると思いますが、主なメリットとして考えられるのは次の通り。
- 姿勢が良くなる
- 打突が安定する
- 発声が良くなる
- 体当たり・鍔迫り合いの時に有利
では、もう少し詳しく見ていきましょう。
体幹を鍛えると剣道の姿勢が良くなる
体幹を鍛えることによる最大のメリットは姿勢が良くなることではないでしょうか。正しい姿勢をキープするだけで体幹を鍛えることができると言われています。つまり、体幹がしっかりしていれば立ち姿が美しくなるということ。
剣道は立ち姿が美しいか否かという部分が凄く重要です。無理な力が入っている姿勢では良い打突にも繋がりません。
また、立ち姿だけではなく、蹲踞の姿勢や蹲踞の前後にも大きく影響するでしょう。剣道では所作の美しさというのも大変重要です。所作の美しさを見るだけで、その人の剣道レベルがわかると言われるくらいなので、美しい所作を身に着けたいものです。
最近はパソコン作業やスマホ操作によって姿勢の悪い人が増えてきたと言われていますが、少しでも体幹を鍛えて改善していけると良いでしょう。
体幹を鍛えると剣道の打突が安定する
私がまだ剣道を始めた頃、先生から
と言われたものです。それ程、剣道では腰が重要ということ。
よく、腰痛の方向けにスタビライゼーションという体幹トレーニングが紹介されていますが、実は剣道のトレーニングとしても大変有効です。スタビライゼーションについては後述します。
体幹を鍛えることで下半身が安定し、鋭い打突に繋がります。
体幹を鍛えると発声が良くなる!気迫十分な稽古が可能に!
実は体幹と呼吸というのは密接に関わっています。剣道では呼吸法が非常に重要。長呼気炭田呼吸法などを行うには、体幹の強さが必要です。
また、発声という点においても、体幹の筋力がなければ良い声が出ないことがわかっています。ですから、プロの歌手も体幹トレーニングを取り入れているくらいです。
専門家によると、体幹トレーニングをすることで音痴は改善されるそうです。私の音痴も治るかな・・・
剣道は体当たり・鍔迫り合いを制することで試合も有利に!
体幹を鍛えることによって当たり負けしない体を作るということは容易に理解できるでしょう。
特にサッカーやバスケットなどの球技でも当たり負けしない体を作るということを目的に取り入れられているのが体幹とレーニングです。そして、多くの選手は体幹トレーニングを取り入れることで劇的に向上したと言います。
剣道でも相手と直接衝突することがあるので、体幹を鍛えることで当たり負けしない体を作り、試合や稽古でも有利な展開に持ち込むことができます。
剣道は押し合いするわけではありませんが、体幹を鍛えることでバランス感覚を保ったまま相手との駆け引きをすることも可能になります。
しかし、やはり剣道の稽古時間を削ってまで体幹トレーニングを取り入れる余裕がないという場合も多いでしょう。その場合は剣道の素振りなどで体幹を鍛えましょう。
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剣道の稽古・素振りで体幹を鍛える方法!
体幹というのは内側の筋肉なので、トレーニングで体幹だけを鍛えるというのは非常に難しいとされています。ですから、体幹トレーニングでは必然的に体幹周りの筋肉も鍛えることになります。
もちろん体幹を集中的に鍛えるということを考えた場合、やはり剣道の稽古以外に体幹トレーニングをするのがおすすめ。しかし、剣道の稽古や素振りで体幹が鍛えられないというわけではありません。
前述しました高倉先生のDVDの中にひと際目立った女の子がいましたが、その子は剣道以外にダンスを習っているということでした。恐らく体幹トレーニングなどすることもなく、体幹が鍛えられたということでしょう。
ですから、剣道の素振りや稽古を少し工夫すれば体幹を鍛えることはできると考えます。では、どのような素振りや稽古方法が体幹を鍛えるのに良いのでしょうか。以下の3つの方法を考えてみました。
- 股割り素振り
- バランスボール・バランスディスクの上で素振り
- 雑巾がけ
では順に詳しく見ていきましょう。
剣道の股割り素振りが体幹に効く!
体幹トレーニングについて調べていると、相撲の四股に辿り着きました。四股踏みトレーニングと言って、ダイエット効果もあるということで人気があるそうです。
四股ふみトレーニングで鍛えられる主な筋肉は次の通り。
- 内転筋群
- 大臀筋
- 中臀筋
- 体幹
四股のように足を大きく上げるような動作はありませんが、それに近い動作の素振りがあります。それは股割り素振り。地域や団体によって呼び方は色々あるかもしれませんので、YouTubeで見つけた動画をペタッと貼り付けておきます。
股割り素振りの方法は次の通り。
- 脚を肩幅よりも広く開く
- 爪先を外向きにする
- 大きく振りかぶる
- 振り下ろしと同時に膝を曲げる
- 太腿と床が平行になるまで曲げる
- 振りかぶりと同時に膝を伸ばす
- 以下4~6を繰り返す
注意点としては、膝を曲げる時は、爪先と同じ方向に曲げるようにするという点です。また、振り下ろしの位置は面の位置よりも少し下、竹刀が振り下ろしの最終地点に到達する時に太腿が床と平行になるようにしましょう。
応用版としては、振り下ろした状態でしばらく停止するというのもありです。ただし、かなりキツイので翌日以降の太腿の筋肉痛に注意しましょう。意識は体幹なので、目的は太腿ではないという点も覚えておいた方が良いでしょう。
ところで、体幹トレーニングと言えばバランスボール。剣道でも使えないでしょうか。
バランスボール・バランスディスクの上で素振り
バランスボールやバランスディスクを利用した素振りをすることで体幹を鍛えることが可能です。
イメージ的にはバランスボールの方が難しいという印象。バランスディスクはバランスボールの簡易版という感じでしょうか。ですから、上に乗って素振りをするならバランスディスクの方がおすすめです。バランスボールは立つだけでもかなりの難易度なので、座って素振りをするだけでも効果は得られるでしょう。
では、素振りではありませんが、稽古の中で体幹を鍛える方法として雑巾掛けを提案します。
剣道の稽古終わりには雑巾がけで体幹を鍛えよう!
前述しました、スタビライゼーションというトレーニング方法について見てみましょう。YouTubeの動画を張り付けておきますので、参考にしてください。
もうお解りだと思いますが・・・
ですよね。それだけではありません。最初に紹介した高倉先生の動画の中でも猫のように歩くというトレーニング方法を紹介されていました。正に雑巾がけですよね。
実は、雑巾がけは体幹を鍛えるのに最適なのです。稽古終わりには道場の掃除をしますよね。稽古前にするところもあるかもしれませんが。その時に雑巾がけをすると、掃除もできて体幹も鍛えることができるというので一石二鳥!
かつて「ベストキッド」という映画の中で、洗車をしたりペンキを塗ったりすることがトレーニングになっていましたが、それと同じです。雑巾がけはトレーニング。もう、モップでの掃除はやめましょう。(笑)
まとめ
今日は剣道は体幹を鍛えることで多くのメリットがあるということをお伝えしました。主なメリットとしては次の通りです。
- 姿勢が良くなる
- 打突が安定する
- 発声が良くなる
- 体当たり・鍔迫り合いの時に有利
そして、体幹を鍛えるには、体幹トレーニングだけではなく、素振りや雑巾がけなどが効果的。
また、紹介しませんでしたが、蹲踞をすることも骨盤底筋を鍛える効果があります。「蹲踞をする」「蹲踞からスッと立ち上がる」というだけでも体幹を鍛えることができます。ですから、日頃の剣道の稽古で体幹を意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、体幹部にはエネルギー燃焼力の高い「赤筋(せっきん)」が多く存在するということで、ダイエットにも効果的。痩せたいけど激しい運動ができないという人にはピッタリかもしれませんね。
ピラティスやヨガの人気があるのも納得です。剣道をしているだけではなかなか痩せられませんけど・・・
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