それはまだ私が20代の若者だった頃の話です。2年先輩のT先生に竹刀について相談したことがありました。
通販で買った竹刀は良くないんですかね?
竹刀は実物を触って、じっくり吟味してから購入するもの・・・
そういう考えの方が非常に多いと思います。また、高段者の先生になると、竹刀選びを慎重にしないと
なんてお叱りを受けたりすることもありますよね。
でも、はっきり言って・・・
消耗品の竹刀にそんなにお金を掛けられないというのが本音です。特に39の竹刀になると、急に価格が高くなりますよね。通販サイトでもなかなか安価な39の竹刀は見つかりません。しかも、有名な銘柄の竹刀になると仕組んで1万円なんて物も・・・
ちなみに、基本的に私が使ってるのは1本1500円~1800円の通販の竹刀ばかり。
だから上達しないのかもしれませんが、目指すは『弘法筆を選ばず』です。でも、やっぱりちょっとだけ使い易く自分用にカスタムして使ったりしています。
竹刀を通販で買うことにリスクを感じる方も多いかもしれませんが、私の場合はそれ程ハズレの竹刀が届いたことはありません。そんな経験なんかも書いています。こんな人も居るんだ~っていう軽い気持ちで読んでみてください。
今日はそんな感じで、通販で購入した39の竹刀について記事にしてみたいと思います。
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通販の竹刀は重心がイマイチ?
通販で購入した竹刀をちょっと自分に合うように改造しようと思っても、まずは柄革が抜けないことには始まりません。柄革は簡単に抜けてもダメですが、全く抜けないのも困ります。そんな問題を解決してくれるのが、こちらの動画です。
実は前から使用していたのですが、ワークマングローブという手袋が最強なんだそうです。手の内側がゴム、手の甲が伸縮性のある生地になっていて、とっても力が入り易く柄革を抜くという作業には最適なんだそうです。今まで知らずに使用していました。(笑)
ところで、自分に合った竹刀というのはどういう物なのでしょうか?扱い易い竹刀のポイントを下に挙げてみました。
- 竹刀の重心の位置
- 竹刀の長さ
- 柄の長さ
- 握りの形状
竹刀の好みというのは人それぞれだと思いますが、私の好みは下の通りです。
- 竹刀の重心の位置・・・手元寄り
- 竹刀の長さ・・・少し短め
- 柄の長さ・・・39用の柄革より少し短め
- 握りの形状・・・円形
では、実際にどのように調整していくのか見ていきましょう。
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竹刀の重心の位置は少し手元寄りが振り易い
竹刀の重心の位置の好みは勿論人それぞれです。剣先の方に重心がある方が打ちが重くなって良いという人もいれば、手元の方に重心がある方が剣先が走ると言う人も居られます。その中間の場合もあるでしょうし、微妙なバランス調整をして、自分のその日の調子で竹刀を選ぶという人も居られるでしょう。
私の場合は、なるべく手元の方に重心がある方が持ち易く振り易い気がしていますので、できればそういう竹刀を使いたいところ。実践型胴張り竹刀とまではいきませんが、それに近いイメージですね。
では、竹刀の重心を手元寄りにするにはどうすれば良いのでしょうか?
竹刀の重心を手元寄りにするには、剣先部分を軽くしてやればいいので、先端の方を少しだけ削りましょう。但し、ここで注意しなければならないのが、重さの規定です。
- 中学生男子 440g以上
- 高校生男子 480g以上
- 一般男子 510g以上
- 中学生女子 400g以上
- 高校生女子 420g以上
- 一般女子 440g以上
上記の条件を満たすことができれば試合では使用できます。ですから、その範囲内でほんの少しだけ削ってみましょう。通販で竹刀を購入すると、39男子用の竹刀なら約550g前後の物が多いようですので、約40g削っても大丈夫。だからと言って、竹刀の物打ち部分を削り過ぎると竹刀が弱くなるので注意が必要です。
40g分を削ろうと思うと、かなり薄っぺらい竹になってしまうかもしれませんので、程々にしておきましょう。(笑)
また、剣先部分を削る場合、まず問題無いと思いますが、竹刀の規定に先革の直径という項目もありますので、一応念頭に置いておくいた方が良いかもしれませんが、実際はそこまで気にする必要も無いと思います。
そして、私自身、実は先端部分を削るという作業はあまりしていません。それは何故かと言うと、竹刀を短くしてしまっているから・・・
では、次に竹刀の長さと柄の長さについて見ていきましょう。
柄の長さ・刃部の長さは体格に合わせて調整しよう!
竹刀の長さ、柄の長さという部分でも個人の好みや体格、腕の長さなどが大きく関係してくる部分です。私の場合はリトルジャパニーズなので、腕もとっても短く、39用の柄革だと長過ぎるのです。
つまり、39用の柄革をそのまま使用すると構えた時に鍔元部分に隙間ができてしまうので、これは審査なんかだと非常に印象が悪いですよね。右手の人差し指は鍔につくくらいというのが基本と教わってますので、柄革を短くする必要があります。
ですから少し短め(38用)の柄革を使用するか、鍔元の先革を折り曲げたり柄頭部分を短く切って縫い合わせたりして使用しています。基本的にめんどくさがりなので、折り曲げて使うことが多いのですが。
しかし、柄革を短くすると別の問題が発生するのです。柄革を短くすることで、竹刀の刃部がその分長くなりますよね。竹刀の刃部の長さというのは長い場合と短い場合、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- メリット
- デメリット
遠い所が届きやすくなる
取り回しが難しい
- メリット
- デメリット
遠い所が届き難くなる
取り回しが容易である
ですから、上記を踏まえて自分の剣道スタイルに合うように竹刀をカスタムする必要があります。私の場合、仕掛け技よりも応じ技を得意としていますので、竹刀の取り回しは容易にしたいと思います。面返し胴なんかは特に刃部が長いと打ち難いですよね。
では、実際に竹刀をちょっとだけ切って短くしてみましょう。と、言っても3尺9寸(約118.2cm)の竹刀を3尺8寸5分(約116.7cm)に切断するだけなので、切断部分は1.5cm程度です。
そこでこんな疑問が湧きますよね。
柄頭の方を切るの?
さて、どちらを切った方が良いでしょうか。
私は柄頭の方を切っています。何故なら、竹刀の最も重い部分というのは鍔元付近ですよね。最も太くなっていると思います。剣先側を切った場合、最も太い部分が真ん中より前になります。逆に、柄頭側を切ると、最も太い部分が真ん中より後ろ側に来ますよね。
ですから、少しでも重心が手元に近い方に来るように柄頭側を切ることにしています。
まとめ
今日は通販で購入した39の竹刀を自分用にカスタムするというテーマで書いてみましたが、如何だったでしょうか?
多くの人は購入した竹刀に手を加えることはしないのではないかと思いますが、実はほんの少し手を加えるだけでとっても使い易くなったりするものです。最近の竹刀は規格も決まっていて重さや重心の位置なども殆ど同じに思えます。
特に安価な竹刀の場合、量産されているものと思われますし、ちょっと使い難いと思われる場合もあるかもしれません。そんな時はちょっとだけカスタムしてみては如何でしょうか?
使い易い竹刀のポイントは下の4点ではないかと考えます。
- 竹刀の重心の位置
- 竹刀の長さ
- 柄の長さ
- 握りの形状
その中で、私が重視するのが柄の長さと竹刀の長さです。重心も勿論重要ではありますが、それ以上に長さを重要視しています。というのも、私は背が低く、腕も短い。更に言えば腕力も弱いので、はっきり言ってしまえば高校生用の38の竹刀でも良いくらいなのですが、残念ながら一般の規定重量に達していないので使用できません。
そこで、柄頭側を約1.5cm~2cm切って使用するようにしています。これだけでとっても使い易く感じるので不思議ですね。
また、私はあまりしていないのですが、柄部分の竹をナイフで削って小判型にされている方も居られます。やはり円形よりは小判型の方が握り易いので、時間的な余裕がある時にやってみたいと思っているのですが、なかなかそこまではできませんね。
小判型の竹刀を購入しているという人もおられますが、握りの部分を少し削るだけで、わざわざ小判型の竹刀を購入する必要はなくなるかもしれませんね。
剣道愛好家には竹刀に凄く拘る方も多いと思います。でも、竹刀に拘るととってもお金が掛かりますよね。そんな時は、安い通販の竹刀を購入して自分で改造してみるのも面白いと思います。ただ、私のように小柄な人間しかできないかもしれませんね。
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コメント
短い柄が好みなら柄短というものがあります。通常の竹刀より柄部分が短めに削られている竹刀です。刃部が通常より長くなるので刃部が長いのが使い辛い人は上記の記事のように竹刀を切って柄を短くした方がよいかとは思いますが参考までに。
柄短について詳しくは http://www.budogu.jp/goods-sinai/tukatan.html をみていただくと分かりやすいです。
コメントありがとうございます。
色々な新しい商品が発売されますね。実は、柄短竹刀も購入したことがありますが、削っている部分が短いと言ってもそれ程変わらないように感じました。短い柄革を使用するのと大差ないのではないでしょうか。とは言え、買ったときからそうなっているというのは有り難いことかもしれませんね。