今日は色んな種類の面打ちやるぞ!
色んな種類の面打ち???
剣道の技の種類は面・小手・胴・突きの4種類しかありません。しかし、その中の面打ち一つにしても打ち方や相手との関係によって凄く多くのバリエーションがありますよね。
それこそ、基本稽古で面打ちだけを普通にこなしても1時間くらい掛かってしまう程の種類ではないでしょうか。今日は、剣道における面打ちの種類について少し詳しく見ていきたいと思います。
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面打ちの種類はこんなにあった?
面打ちの種類を挙げようと思っても、細かく分類すればかなりの数になってしまいます。ですから、ある程度普段から使いそうな面打ちの種類について挙げてみたいと思います。
- 大きな面
- 小さな面
- 裏からの面
- 斜面
- 担ぎ面
- すり上げ面
- 払い面
- 巻き上げ面
- 巻き落とし面
- 引き面
- 応じ技の面
ざっと考えただけでもこれだけの種類があります。それぞれについて更に細かく分類することもできますし、技を出す前の動作を考えると面打ちだけでも本当に無限です。
では、それぞれの面打ちについてもう少し詳しく見ていきましょう。
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大きな面・小さな面
まずは最も基本となる、大きな面です。大きな面と言っても色々な打ち方があると思いますが、一拍子で打つ面が最も良いでしょう。
一拍子で打つには、振り上げと同時に右足を前に出し、打突と同時に右足を踏み込むイメージが必要となります。しかし、大きな面打ちを一拍子で打つのは非常に難しく、手と足がバラバラになってしまう可能性もあります。
その場合はまず、振りかぶった状態(上段)から面打ちをするのが良いでしょう。二拍子になってしまいますが、手と足を合わせる感覚を養う為にもそういった方法を試してみてください。
逆に小さな面打ちは一拍子で打ち易いですね。注意点としては継ぎ足をしないことです。継ぎ足をすることで相手に起こりがわかってしまうので注意が必要ですね。
目指すは高鍋進選手のような、0.1秒の面打ちです。私には無理ですが・・・
折角なので、高鍋選手の面打ちをハイスピードカメラで捉えた映像をご覧ください。
このような凄い面打ちはなかなかできませんが、大きな面打ち、小さな面打ち共にできる限りギリギリまで構えを崩さないように心掛けると良いでしょう。これが非常に難しいのですが。
私も日頃の稽古ではギリギリまで構えを崩さずにということを意識していますが、なかなかできませんね。
また、大きな面打ちと小さな面打ちが全ての面打ちの基本となります。ですから、基本をきちんと習得しなければ次の段階へは進んでもあまり意味がありません。美しい面打ちを打てるように心掛けましょう!
裏からの面
さぁ、次は裏からの面打ちです。
裏からの面は一旦相手の竹刀の下をくぐり、裏側に回して振りかぶって面を打ちます。いわば奇襲作戦のようなイメージですね。
奇襲作戦と考えると、やはりメリットとデメリットがあるので簡単にまとめてみたいと思います。
- 軌道がわかりにくい
- 奇襲攻撃
- 小手を打たれ易い
- 打突に時間が掛かる
裏からの面打ちの場合は通常の面打ちとは竹刀の軌道が変わる為、面を打つということが悟られにくくなります。しかし、一旦竹刀を下げてから振りかぶる必要があるので、隙ができてしまいます。
ですから、この場合は特に攻め勝っていないと小手を打たれ易くなりますが、こちらが打とうとすると下がるような相手にはとても有効な技でしょう。
斜面
剣道の面の打突部位は左右45度の間です。つまり、切り返しの位置も有効ということになりますね。でも、普段はあまり稽古しない技の一つではないでしょうか。これを機に稽古に取り入れてみましょう。
普段から斜面ばかりを打つのはあまりお勧めできません。基本はやはり真っ直ぐの面打ちですし、実は斜面というのはなかなか決まりません。しかし、斜面が決まり易い瞬間があります。
- 相手が左面を竹刀で避けた場合→右面
- 相手が右面を竹刀で避けた場合→左面
自分の攻めが効き、相手が面を避けようとした瞬間に避けた反対側の面を打つことで綺麗に決まるでしょう。何故なら、完全に攻め勝っているからです。
但し、この技は十分に練習を重ねなければなかなか有効打突にはなり難いかもしれません。
普段の面打ちと同じように斜面も打てるようになると技の幅が広がりますね。
担ぎ面
担ぎ面も奇襲攻撃の一つだと思ってください。打ち方は振りかぶり時に左肩の方に一旦担ぐような形を作り、そこから面を打ちます。
つまり、担ぐことによって小手を打つと思わせるわけです。但し、この技も裏からの面打ちと同じで一旦動きが止まることになりますので、攻め勝っていなければ小手を狙われ易いというデメリットがあります。
次はなかなか構えを崩さない相手にはどうやって面打ちをすればよいのかということについて考えてみたいと思います。
すり上げ・払い・巻き技からの面打ち
面打ちは相手が正しい構えの状態では打つことができませんよね。そのまま打ちに行くと、相手の竹刀が喉元に突き刺さることでしょう。つまり、打つ前に構えを崩さなければなりません。
でも、そう簡単に構えを崩てくれませんよね。そんな時に有効なのが、下に示す相手の剣先を崩させる方法です。
- 払い面(払う)
- すり上げ面(すり上げる)
- 巻き上げ面(巻き上げる)
- 巻き落とし面(巻き落とす)
それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
払い面・すり上げ面
払い面とすり上げ面はどう違うのかと言うと、効果的にはそれ程大差ありません。ただ、動作を考えてみると、少し違う部分があります。
払うという動作とすり上げるという動作には以下のような違いがあります。
- 払う・・・竹刀と竹刀を点で接触させる
- すり上げる・・・竹刀と竹刀を面で接触させる
つまり、払うという動作は鋭く叩くイメージです。逆にすり上げるという動作は優しく撫でるようなイメージです。
払い、すり上げ共に表からと裏からの使い分けができますので、状況に応じて使い分けてみましょう。特に相手の手元(握り)が硬い場合、柔らかい場合など、色々と試してみると良いと思います。
巻き上げ面・巻き落とし面
巻き技が有効なのは手元が硬い相手ではないでしょうか。柔らかい相手の場合は巻くことが隙に繋がり、逆に打たれる可能性が高くなります。
巻き技のポイントとしては、攻めながら(前に進みながら)巻くと成功する確率が高くなります。私の感覚ですが、最初は剣先で巻き始め、最後は手元に近いところで巻き終わるという感じですね。
勿論、相手の竹刀を巻いて満足していてはいけません。巻いたことによって相手に隙を作り、そこから面打ちを決めることが本来の目的です。
巻き技は難易度の高い技なので、小中学生でこの技を使う人は少ないと思います。ですから、逆に巻き技が使えるようになると面白いと思いますので、是非挑戦してみましょう。
引き面
鍔迫り合いからの引き面は私が学生時代に最も得意としていた技です。しかし、引き面というのは説明するのが非常に難しい技ですよね。
引き面を打つ場合は近い間合いで打たなければならないので、大きく振りかぶることができません。ですから、手首のスナップを利かせ、右手と左手をてこの原理を利用して打突するのが良いでしょう。
右手だけで打とうとすると打突が弱くなりますので、打突時には右手を押すのと同時に左手を引きましょう。
また、引き面と一口に言っても、打ち方は色んなパターンがあります。表から、裏から、担ぎなど。色々なパターンを駆使して相手の反応を見て臨機応変に技を出しましょう。
特に私が学生時代に多用していたのが、鍔迫り合いから担いで引き面でした。担ぐことで相手には小手を警戒させ、隙のできた面を打ち込みます。この時、担いでからの打突なので、打突自体も強くなり、一石二鳥というわけですね。
では、最後に応じ技について見ていきたいと思います。
応じ技の面
応じ技の面技と言うと、かなりの種類があると思いますので、思い付くままに列挙してみたいと思います。
- 出端面
- 面抜き面
- 面返し面
- 面すり上げ面
- 小手抜き面
- 小手すり上げ面
- 小手打ち落とし面
- 胴打ち落とし面
基本の面打ちをとことん反復練習、そして応じ技につなげていきましょう。私は個人的にすり上げが得意なので、小手すり上げ面や面すり上げ面は今でも良く使用します。
面すり上げ面のポイントとしては、前に出過ぎないことですね。踏み込みの位置を少し手前にすることで、間合いが近くなることを防ぐことができます。逆に、小手すり上げ面の場合は相手が小手を打つ前に自分の体が前に出ているのが理想です。つまり、すり上げ動作は振りかぶりの動作の延長だということですね。
是非、得意な応じ技を一つか二つは持ちましょう。
まとめ
今日は面打ちの種類について考えてみました。面打ちと言っても凄く沢山の種類がありますね。ほんの一例ですが、以下のような面打ちがあります。
- 大きな面
- 小さな面
- 裏からの面
- 斜面
- 担ぎ面
- すり上げ面
- 払い面
- 巻き上げ面
- 巻き落とし面
- 引き面
- 応じ技の面
面打ちは相手に攻め勝っていなければ決まりません。最初から面を打ってくださいと開けてくれる相手は居ませんよね。もし、面に隙があるのなら、逆に面を打たせて応じる作戦なのかもしれないので注意が必要です。
ですから、面打ちに限らず、剣道において最も重要なことは攻め勝って相手に隙を作らせるということですね。
全剣連の講習会の時に先生が仰ってました。
においを感じて打つ飛び込み面!
においを感じて捨て切って打つ飛び込み面が最も尊い技であるということなのだそうです。
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