跳躍正面素振りってご存知ですか?地域や道場によって呼び方が色々あるようですね。早素振りや一挙動、跳躍素振りなんて言うところもあると思います。
1ヶ月前に剣道を始めたMioちゃんが頑張ってもできないらしく、相談されてしまいました。
どうしても跳躍正面素振りが上手くできません。
ちょっとやってみ。
コツを教えてください。
確かに、跳躍正面素振りというのは剣道の素振りの中ではほんの少し特殊かもしれませんね。そして、これは誰もが一度は通る道ではないでしょうか。
中には少しの練習で簡単にできてしまう天才的な子も居ますが、大抵の子はやや苦労しますよね。そして、それが大人になってから始めた人になると更に難しく感じられるかも・・・
今日は、そんな剣道の素振りとしてはちょっと特殊な
『跳躍正面素振りのコツ』
について、『私自身どうやって教えて貰ったのかな~?』って思い出しながら書いてみたいと思います。
SPONSORED LINK
跳躍正面素振りはリズムの乗ればできる?
まずはこちらの映像をご覧ください。出稽古先の子供達にちょっと跳躍正面素振りをやらせてみました。(スマホでの撮影なのでピンボケで申し訳ないです。)
剣道の素振りもリズムに合わせて素振りするとコツが掴めるかと思ったのですが・・・リズム感の無い子供達ばかりで無理でした。(笑)
とは言え、やはり跳躍正面素振りはリズムに乗るというか、一定のリズムを掴むことが一番のコツではないかと考えます。
では、剣道の正しい跳躍正面素振りをご覧ください。
ちょちょいと描いたので足とかは適当で申し訳ないです。(笑)しかし、これでは少々解り難いので言葉で説明しましょう。
- その場で振りかぶる
- 右足→左足の順に前に出ながら正面を打つ
- 左足→右足の順に後退しながら振りかぶる
- 上記2・3の繰り返し
- 最後に飛び込み面を打つ
指導者によっては1本目の振りかぶり時に後退しながら振りかぶると指導される場合や、その場で振りかぶった状態で待ち、「はじめ」の号令で1本目を打つという場合もありますが、大した問題ではないので指導者の先生に従いましょう。
剣道の跳躍正面素振り以外の素振りは振りかぶりと同時に右足を前に出すのが基本ですが、跳躍正面素振りだけは振り下ろしと同時に足を出します。この違いを頭で理解するというのがコツになるでしょう。
では、跳躍正面素振りのコツがわかったところで、更に正しく素振りを行うための注意点について見ていきましょう。
- 上に飛ばない
- 両足を同時に動かさない
- 正面の位置まで振り切る
これだけでは解り辛いと思うので、順に説明していきたいと思います。
SPONSORED LINK
跳躍素振りなのに上に飛ばない?
跳躍正面素振りとは言いますが、跳躍するときに上方向に跳び上がってはいけません。できることなら、ほぼすり足の状態が理想的ではないでしょうか。
床のほんの少し上をほぼ平行に前後する。言葉で言うのは簡単ですが、かなり難しいですね。イメージとしては忍者のように静かにすすすっと。
上方向に跳ぶというのは、無駄な動きですし、実戦でも上方向に進む力があるのなら、前方向に進む力に変えるべきですよね。その方が遠くの相手を打つことができます。
素振りは素振り、対人の稽古は別物という考えではなく、素振りを実戦に活かせるように心掛けることも効率的に上達する一つのコツではないかと思います。
引き続き足の使い方について見ていきましょう。
両足を同時に動かしてピョンピョン飛ばない!
跳躍正面素振りと言っても、厳密には跳躍しているわけではありません。通常の送り足の足さばきを速く動かしただけのものです。
ですから、足の運びは基本的に普通の前後の素振りと同じ。
つまり、前進時には
- 右足を前に出す
- 左足を引き付ける
後退時には
- 左足を後ろに引く
- 右足を引き付ける
という動作が正しい跳躍正面素振りの足さばきです。しかし、中には両足を同時に動かしてジャンプしている子も居ますよね。そういう種類の素振りもありますが、跳躍正面素振りとしては正しくありません。カエルではありませんよ。(笑)
また、着地時に左足が右足より前に行ってしまう場合や左足を動かさずに右足だけが前後するような場合も間違いです。
より足を鍛えようと思ったら、ピョンピョン両足で跳ぶ方が鍛えられますが、それはまた別の素振りメニューとして取り入れるのが良いでしょう。
では、次に竹刀の振りについて見ていきましょう。
正面の位置まで振り切る
小学生の素振りを見ていると、回数が増える毎に徐々に徐々に打突点が高くなるという子供が居ますが、これでは意味がありませんよね。きちんと面の位置を打つこと、切る意識を持つことが大切です。
できれば、自分が前に立っているとイメージして、耳の高さまで切るつもりで振り切るのが良いでしょう。
面の位置よりも少し下ですね。面の位置で止める癖を付けると、実際に面を打つ時に面に当たった瞬間(当たる前)に竹刀を無理に止めてしまう癖が付くかもしれません。
ですから、素振りの時はしっかり耳まで振り下ろすのが良いですね。あごまで切る必要はないと思いますが、毎回しっかり切る意識を持つということが上手く跳躍正面素振りを行うコツですね。
跳躍正面素振りが上手にできるようになれば、更に工夫した難しい素振りにも挑戦してみましょう。
前後の跳躍正面素振りはできる?
では、更に跳躍正面素振りを工夫して、少し難しい素振りに挑戦してみましょう!!
通常の跳躍正面素振りはこちら。
そして、こちらが前後の跳躍正面素振りです。
- 後ろに下がりながら振りかぶる
- 前に出て面を打つ
- 更に前に出て振りかぶる
- 後ろに下がって面を打つ
- 1~4の繰り返し
コツとしては、真ん中で面を打つということです。このコツさえ掴めばすぐにできるようになります。では、前後の跳躍正面素振りができるようになれば、左右も取り入れてみましょう。
同じように、
- 左に移動しながら振りかぶり、右で面を打つ
- 更に右に移動しながら振りかぶり、左で面を打つ
という動作を入れます。この場合も真ん中で面を打つということがコツになります。リズムに乗ればできるようになるでしょう。
そして、この前後左右の跳躍正面素振りができるようになると、どんな状態からでも、どんな方向へも打って移動できるという剣道では最も大事な体捌きが身に付くことになります。
是非、素振りメニューに取り入れてみてください。
まとめ
今日は剣道の素振りの中では少し特殊だと思われる跳躍正面素振りのコツについて考えてみました。コツは掴めそうでしょうか?
では、もう一度記事をおさらいしておきましょう。
跳躍正面素振りの手順は下に示す通りです。
- その場で振りかぶる
- 右足→左足の順に前に出ながら正面を打つ
- 左足→右足の順に後退しながら振りかぶる
- 上記2・3の繰り返し
- 最後に飛び込み面を打つ
この時の注意点としては他にもあると思いますが、特に重要な3点を挙げてみました。
- 上に飛ばない
- 両足を同時に動かさない
- 正面の位置まで振り切る
一本一本、焦らずに正しく振るということが重要だと思います。素振りはつまらないものですよね。私も学生時代は素振りが大嫌いだったのですが、今はそこまで嫌いと言うわけではありません。
それは、素振りの意味をちゃんと理解できるようになったからかもしれませんね。素振りの一本が実戦での一本に繋がるということです。その点を意識して素振りに取り組みましょう。
ただ単に先生や先輩に100本やれって言われたからやるというのは面白くないですし、それでは上達も遅れてしまいます。きちんと意味を理解して正しい素振りをすることが剣道上達のコツです。
これは間違いありません。
【関連記事】
◆剣道の素振りはこんなに種類があるって知ってました?
◆剣道の素振りで速い面を打つコツを掴め!!
◆剣道の素振りを自宅の室内で!そんな時には工夫せよ!!
◆木刀での素振り!3つの効果を実践に活かそう!
SPONSORED LINK
コメント