昨年末に剣道の稽古で右手首を痛めてから、普通の39の竹刀が振れなくなってしまったので、丁度良い機会だと思って以前から興味のあった二刀流を始めてみることにしました。
右手首を痛めたのは以前の記事にも書いてますので、時間のある方はご一読ください。
しかし、二刀流って剣道をしている人の中でもかなりマイナーなので、ましてや剣道をしていないお母さん方にとっては好奇の目で見られます。そして、時々質問攻めに・・・
そうなんです。剣道の試合審判規則では二刀流が認められていて、公式試合にも出場できるのです。但し、大学や一般の試合だけですが。
でも、二刀流を見たことがない人からすればルールも全くわかりませんよね。
というわけで、今日は
剣道で二刀流ってあり?ルールを知って楽しもう!
というテーマを取り上げてみたいと思います。私の周りで二刀流をしている剣道愛好家っていうのは居ないので、本当に好奇の目で見られるのですが、珍しいということで結構楽しんで頂けているようです。そう思ってるのは私だけだったりして?(笑)
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二刀流に関するルールを見てみよう!
まず、剣道の試合で二刀流を見たことが無いという人の為に、映像を見て頂こうと思いますが、意外と沢山あるので、どれにしようか迷った結果、こちらの映像を紹介します。
藤井先生は2016年に八段に合格されています。二刀流で八段の先生が居られることもびっくりかもしれませんが、二刀流がどのようなものか、何となくわかって頂けたと思います。では、早速ですが、剣道試合審判規則の中から二刀流に関する記述を見ていきましょう。
全日本剣道連盟の試合審判規則の中で二刀流に関する記述があるのは、以下の三項目です。
- 竹刀の規定
- 有効打突について
- 鍔迫り合いについて
つまり、他のルールに関しては一刀での剣道と全く同じということになりますので、この3点についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
二刀流で使える竹刀はルールで決まっている!
二刀流で使用できる竹刀はルールで決まっています。以前の記事でも取り上げましたが、規定は下記のようになっています。
男性
大刀・小刀 | 長さ | 重さ | 太さ |
大刀 | 114cm以下 | 440g以上 | 25mm以上 |
小刀 | 62cm以下 | 280g~300g | 24mm以上 |
女性
大刀・小刀 | 長さ | 重さ | 太さ |
大刀 | 114cm以下 | 400g以上 | 24mm以上 |
小刀 | 62cm以下 | 250g~280g | 24mm以上 |
大刀については、38、39の竹刀を切って自分で作っても良いのですが、男性は中学生男子用、女性は中学生女子用の37の竹刀の規定と同じなので、中学生用の竹刀を使用すればそのまま使用可能です。また、小刀については、購入すると意外と高価なので、殆どの方が自作されているようです。私も子供が使っていた竹刀を短く切って作りました。
小刀の作り方についてはこちらの記事をご覧ください。
また、『剣道試合・審判・ 運営要領の手引き』の中に、次のような記述があります。
試合中、竹刀が破損し、代えの竹刀がなければ、試合不能として、負けとする。
まぁ、当然と言えば当然なのですが、二刀用の大刀1本だけで試合を行うということは認められていないわけですね。逆に小刀だけというのも不可能です。竹刀の規定に入っている小刀と大刀の両方が揃っていないと試合には出場できません。破損で交換するのは可ですが、替えの竹刀がなかった・・・なんてことの無いようにしたいですね。
では、次に有効打突についてのルールを見ていきましょう。
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二刀流の有効打突は大刀だけ?
有効打突については試合審判規則第12条に書かれている通り、基本的には一刀の時と同じです。
- 有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。
但し、『剣道試合・審判・ 運営要領の手引き』を見ると、以下のように書かれています。
- 大刀で相手の大刀を制している
- 打った方の肘がよく伸びている
- 充分な打ちで条件を満たしている
但し、つば競り合いでの小刀の打突は原則として有効としない。
小刀での打突は有効打突にならないという認識をされている方が多いと思いますが、実は小刀での打突も有効打突になり得るということなのです。但し、かなり難しいですね。地方大会などでは、審判員もその認識を持っていない可能性が高いので、有効打突として認めて貰えることは稀ではないでしょうか。
小刀で有効打突を奪うということは茨の道かもしれませんので、基本は大刀での打突を心掛けるようにした方が良いのではないでしょうか。
では、最後につば競り合いについて見ていきましょう。
二刀流はつば競り合いの方法までルールで決められているの?
二刀流の場合のつば競り合いについて、『剣道試合・審判・ 運営要領の手引き』にはこう書かれています。
二刀のつば競り合いは、小刀を下に、大刀を上とし、二刀を交差する形で指導する。
但し、これはルールというより指導方法が書かれているだけなので、実際に逆になっていても反則を取られることはないのではないかと思います。見つけたら指導ですね。反則行為ではないでしょう。
基本的なルールは上記の通りですが、更にもう少し二刀流についての記述がありましたので紹介したいと思います。
二刀流は不公平?
二刀流に関してはかなり自由度が高いと感じていますが、実際に試合審判規則というルールの中で二刀流の小刀での打突については前述の通り制約があります。では、何故そのような制約があるのでしょうか。そのことについても『剣道試合・審判・ 運営要領の手引き』の中で以下のように触れられていました。
剣道の文化的な観点から、慣習として二刀を認めているが、公平性や安全性の観点から制紂している。
公平性や安全性の観点なのだそうです。確かに、鍔迫り合いから小刀での打突を認めたら、どんな状態でも打てますよね。それでは不公平なルールになってしまうというわけです。
まとめ
今日は剣道における二刀流のルールについて見てきました。
という素朴な疑問でしたが、実はルールで認められているので公式試合にも出場可能です。
但し、中体連・高体連では禁止されているので、二刀流で大会に出場することは不可能です。稽古をする分には問題はありませんが、監督や顧問の先生には反対されることになるでしょう。
試合で使用できないということは、きちんとした理由があるのでいくらやりたくても高校を卒業するまでは我慢してください。独学でこっそり稽古する分には何も言われないので、その場合にはこちらのDVDがオススメです。
【DVD】二天一流武蔵会兵道指南【剣道二刀入門】〜上巻・基礎編〜二天一流武蔵会 [NTN-1D]
私も持っていますが、初心者にはオススメのとても分かり易いDVDでした。
二刀流のルールについては、基本的に一刀と同じです。違うところは、次の3点。
- 竹刀の規定
- 有効打突について
- 鍔迫り合いについて
但し、鍔迫り合いについてはルールではなく、指導と書かれています。ですから、間違った鍔迫り合いの方法をしていたとしても反則にはならないでしょう。反則にならないかもしれませんが、正しい鍔迫り合いで試合に臨みましょう。
剣道の二刀流はまだまだマイナーで指導できる人も少なく、あなたの周りでも非常に少ないと思いますが、剣道の見識を広げる為にも一度体験してみるのも良いのではないでしょうか。とっても難しいですが、ちょっとできるようになると面白いですよ。
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