私の周りでは今まで剣道をしていて熱中症で倒れたという話は殆ど聞いたことがなかったのですが、そういうことも言っていられなくなりました。しかも、熱中症で倒れた子は小学生の時に指導していた女の子だったのです。
毎年夏になると「部活動中に熱中症で死亡!」なんてニュースも見ますよね。剣道に関しても時々話題に上ります。
しかも、剣道は熱中症で倒れる人が多いらしいんですよね。調べてみると、熱中症による死亡事故数の多い競技は以下のようになっていました。
- 野球・・・19人
- ラグビー・・・10人
- サッカー9人
- 剣道・・・8人
- バレー・・・7人
- 柔道・・・6人
これは平成2年から平成24年のデータですが、なんと、剣道が堂々の4位に入っているではないですか!?
剣道の稽古の時には熱中症の予防をきちんとしておきたいものですが、万が一熱中症で倒れる子が現れた時にはどうしたら良いのでしょうか?うわけで、今日は剣道の大会や稽古中に熱中症で倒れた時の対策について書いてみたいと思います。
指導している子供が稽古中に倒れたなんてことが無いようにしたいものですが、万が一のことも考えてしっかり知識を付けておきましょう。
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熱中症で倒れたら?
剣道の稽古中に誰かが熱中症で倒れた場合、症状が酷い(意識が朦朧としている)ようなら救急車を呼ぶ必要があります。救急車が到着するまでの応急処置対策、または症状が比較的軽いと思われる場合には自分達で応急手当をする必要があります。
丁度、熱中症で倒れた時の応急手当を説明した動画がありましたのでご覧ください。とっても解り易く説明されています。
しかし、いっちゃんが小学生に見えないんですが・・・(笑)
動画にもありましたが、剣道の稽古中や大会中に熱中症で倒れた時には以下のような応急手当を行いましょう。
- 涼しい場所に移動する
- 足を高くして寝かせる
- 衣類を緩める(防具を外す)
- 体を冷やす
- 水分補給(電解質)
では、もう少し詳しく説明しましょう。
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まずは体を冷やすことを考えよう!
熱中症は体温調節がうまく機能しないことで起こる症状です。ですから、まずは体を冷やすことを第一に考えなければなりません。
その為には、まず涼しい場所に移動する必要があります。できればエアコンの効いている部屋や扇風機などのある部屋に移動しましょう。
もし、そのような部屋が無ければ、できる限り風通しが良くて少しでも涼しい場所に移動してください。
衣類を緩める(防具を外す)
まずは面、小手だけではなく、胴、垂れも外しましょう。色々なマニュアルには、「衣服を脱がせましょう」と書かれていますが、実質的なことを考えると、そんなに簡単には脱がせませんよね。
ですから、せめて防具は外し、袴などの紐も少し緩める程度で良いと思います。もし、二重の剣道着を着ている場合はすぐに脱がせた方が良いでしょう。
最近は涼しい夏用剣道着を着用している人が多いから心配は要らないと思いますが、剣道着の袖や袴の裾は捲り上げた方が良いかも知れません。
体を冷やす
効果的に体を冷やすことを考えると、太い動脈が体表近くにある下記の3ヶ所を重点的に冷やしましょう。
- 首の前
- 脇の下
- 足の付け根
冷やす場合は動画にも説明がありましたが、急激に冷やすのは却って良くないので、濡れタオルなどで緩やかに冷やしましょう。また、霧吹きがあれば、冷たい水を体に吹きかけるとより効果的です。
足を高くして寝かせる
動画でも説明があったように、熱中症の人を横に寝かせる必要があります。その時に、できれば足を高くする方が良いとされています。
なぜ足を高くする必要があるのかと言うと、ショック位と言われるものです。
熱中症になると、人の体は臓器を守るために体温を下げようとします。この時に全身の血管が広がって血液が毛細血管まで満たされている状態になります。その結果、血圧が低くなって脳などの臓器に十分な血液が運ばれずショック状態になります。
ですから、そのようなショック状態を防ぐために足の位置を高くする必要があります。
水分補給をさせましょう
次に水分補給を自分でさせましょう。動画では周りの人が飲ませていましたが、できれば意識レベルを確かめる為にも、自分自身で飲むようにした方が良いです。
また、補給する水分は当然ながら、真水はNGです。熱中症は体内の水分や塩分のバランスが崩れて体温調節機能が破綻することで起こります。
真水を摂取しても体内の水分や塩分のバランスが戻ることはありません。ですから、スポーツ飲料などの電解質が配合された物を摂取させるようにしなければなりません。
まとめ
剣道の稽古中や大会中に熱中症で倒れた場合の対策方法について書いてみましたが、如何だったでしょうか?では、もう一度おさらいしておきましょう。
熱中症で倒れた場合、重篤な場合はすぐに救急車を呼ぶ必要がありますが、救急車が到着するまでの間に応急手当てを行いましょう。また、重篤でない場合にも病院での診察が必要ですが、とりあえず応急手当を行いましょう。
応急手当の手順は以下の通りです。
- 涼しい場所に移動する
- 足を高くして寝かせる
- 衣類を緩める(防具を外す)
- 体を冷やす
- 水分補給(電解質)
熱中症で倒れてしまった場合はもう仕方がないのですが、やはりできれば熱中症対策としては予防が一番ではないでしょうか。予防としての最善策はこまめな水分補給です。
と感じた時には既に遅いと言われます。そして、水分補給をしても体に吸収されるのに30分程度掛かると言われていますので、稽古開始の30分前頃から少しずつこまめな水分補給をすることをお勧めします。
勿論、稽古中も30分毎に休憩を取り入れて水分補給をした方が良いでしょう。
昔のように水分補給無しで稽古を続けることは非常に危険です。もう、我々が若い頃とは違ってそういう時代ではないので。(笑)
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