突きスゲ~~!!
テレビで第16回世界剣道選手権大会の生中継を観戦しながら、かずき君とLINEでやりとりしてました。いつもこんな感じです。(笑)
ところで、世界選手権を見ていると、結構突きが決まっていたように思います。衝撃的だったのが韓国人選手の凄まじい突きでした。それから、印象に残っているのが安藤選手の突きです。
綺麗な諸手突きでしたよね。
とは言え、私は突きが下手なんです。基本稽古の時に打つ突きは8割くらいの確率で打突部位を捉えることができるのですが、実戦ではなかなか打てません。
というわけで、今日は剣道の突きを上手く打つコツが知りたくて調べてみました。試合で突きを決めてみたいあなた!ちょっとしたヒントになるかもしれませんよ。
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突きは剣道の基本?
私は時々少年団の稽古メニューの中に突きを取り入れます。小学生なので、踏み込み足で突くのではなく、すり足での突きです。中には『突きは危険だから小学生にさせるなんてとんでもない!』という指導者の先生も居られるかもしれません。
まずは突きの一本集を見てイメージしてみましょう。
私はある先生に突きは剣道の基本だと教えて頂きました。その先生の話では、本来なら面打ちよりも先に突きを教えるべきだということでした。それは極論なのかもしれませんが、私もその意見には概ね賛成です。
特に、手だけで面や小手を打つ子供に対しては突きの稽古は有効であると考えます。それは、突きを打つには手よりも足腰が重要だからですね。中学の時によく先生にこんな風に言われました。
- 手で打つな足で打て!
- 足で打つな腰で打て!!
面や小手は手だけで打っても上手く打ててるように感じるかもしれませんが、突きはそうではありませんよね。やはり腰で打つということを覆えるには突きの稽古が一番です。
では、そんな突き技を打つコツについて考えてみたいと思います。
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突き技を上手く打つコツはこれだった!
私が学生時代に恩師に習ったのは、
- 手だけで打とうとしない
- 突き垂よりも小手を突くつもりで
- 突いたら引く
ということでした。高校生になり、初めて突きを習ったのがこの時。そして、その言葉通りに小手を突くつもりで打ってみると、本当に上手く突き垂に届いたので驚いたものです。
それから、突いた後は必ず引くということ。実際に真剣で突いたと考えると、突いた後は引き抜かなければ次の技が出せません。つまり、残心ですね。剣道の有効打突は残心がなければいけないので、引くという動作がかなり重要になってきます。
他にも私の知り合いが突きを打つ場合のコツを教えてくれたのですが、ちょっと思っているのと違う部分もありました。
- 正しい姿勢のまま打つ
- 右手に力を入れない
- 面を打つのと同様に上から下に打つ
調べてみると、小さく面を打つように上から下に打つと打突部位を捉え易いという意見もありました。これは実際にやったことがないのでわからないのですが、今度試してみたいと思います。
重要なことはやはり右手に力を入れないということではないでしょうか。右手に少しでも力が入ってしまうと太刀筋がブレて打突部位を捉えることができません。ですから、手に力を入れずに腰で突くというのが最大のコツではないでしょうか。
基本稽古の時の突きは反復練習で打てるよになるでしょう。では、実戦で突きを打つ場合はどういう時に打てばよいのでしょうか。
突きを打つ機会
剣道における打突の機会をご存知でしょうか?
- 技の起こり
- 技の尽きたところ
- 居付いたところ
- 退いたところ
突きを打つと考えた場合、やはり居付いたところというのが最も適しているでしょう。技の起こりにも打てるとは思いますが、前に出てきた相手に突くというのは危険ではないかと考えます。
ですから、自分から攻めて、相手が居付いた瞬間に打てるように心の準備をしておくべきでしょう。しかし、突きが打てる機会というのは他の技を打つ機会でもあります。
逆に、突きを打てる機会というのは本当に微妙な機会と言うべきであり、その機会を習得するには大変時間がかかるでしょう。しかし、突きを打てることによって技の幅は拡がり、相手にとっても予測しにくくなりますので、是非実戦でも取り入れていきたいところです。
ところで、公式戦で突き技が使えるのは高校生以上ですよね。どうして中学生以下は禁止されているのかということを考えたことがありますか?
剣道で突き技を使えるのは高校生になってから?
高校生になると突き技が解禁されるので好奇心で使ってみたくなるかもしれませんが、突きはそんな簡単なものではありませんよね。それに、突きは非常に危険な技なのです。
中学生以下の選手で考えてみましょう。例えば中学に入学したての成長期に入る前の男の子と中学3年生の大きな男の子が一緒に稽古することは極普通のことですよね。試合することもあると思います。
でも、この二人に凄い体力差があるということは一目瞭然です。そんな大きな男の子が小さな男の子に思いっきり突きを打った場合、どうなるでしょうか?
とっても危険ですよね。突きを打たれた方は頚椎などに強い衝撃を受けます。この衝撃によって小さな男の子に何らかの障害が残る可能性も考えられるわけです。
しかも、突きは打突部位が小さく、外れることが多いですよね。凄い力で外れたりしたら、致命傷になることだって考えられます。
ですから、中学生以下は突きが禁止とされているのです。勿論、高校生になると公式戦で突きも有効になりますし、強豪校の試合を見ているとやはり突きを打てるということはかなり有利になることがわかります。
当然ですよね。突きが打突部位に加わることで、打突部位は面・小手・胴の3か所から4か所に増えるのですから。
しかし、突きを打つ時に最も注意しなければならないことがあるのです。
目上の人に突きを打ってはいけない?
まだ私が4段の若造だった頃、私は片手突きにそこそこ自信を持っていました。実戦で諸手突きを打つのは苦手だったのですが、片手突きなら打てる自信があったんですね。過信といいますか、若かったと言いますか・・・
その日の稽古には地域に赴任してこられた警察官(定年間際)が参加されていました。私は初対面だったので、とりあえず稽古をお願いしたのですが突きががら空きに見えたんですよね。
思わず片手突きを何本か打ってしまったのです。そうしたら、突然その方が怒り出して、
「わしは錬士五段や、突きを打つなんて失礼だろ!今すぐ帰れっ!!」
と大声で怒鳴られてしまったのです。
気分を害したのでその日は帰りましたが・・・
どうやら世の中には突きを打つということは相手に失礼だという意識を持っている人が居られるようです。年配の先生方は特に。ですから、そういう方には突きは打たない方が良いですね。
「目上の人に突きを打つことは失礼」という考えを持っている方も居られるということだけ覚えておきましょう。
まとめ
突きという技について考えてみました。突きという技は単体でも使える技ですが、打突部位が小さいことと、打突の機会が少ないことでなかなか剣道の実戦での使用は難しいですね。
では、突きを打つコツについてもう一度おさらいしてみましょう。
- 手だけで打とうとしない
- 突き垂よりも小手を突くつもりで
- 突いたら引く
- 正しい姿勢のまま打つ
- 右手に力を入れない
最も重要なことは右手に力を入れないということです。ちなみに、何度やっても左右の一方向に外れるようなら、ほんの少し反対方向を狙うようにすると良いかもしれませんね。
また、突きを打つ機会としては、相手が居付いたところです。居付いたところにすぐさま打てるように心の準備をして攻めましょう。
突きは打突としての突きと、攻めとしての突きがあると思います。突きを打つことによって、構えを崩さずにその次の打突へと繋げることもできますので、色々な場面を想定して稽古したいと思います。
そして、最も注意すべき事項は、剣道は相手があって初めて稽古ができるということです。ですから、相手の失礼になるような突きを出してはいけません。相手を敬うという心が大切です。
突きを打たれた方は少しアツくなる可能性があります。もし、自分より実力がある人なら、3倍くらいになって返ってくるかもしれませんので、その点は覚悟をしておいた方がよいかもしれませんね。
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コメント
突きを外されて怒るなら分かりますけど
技である突きを打たれて怒るっていうのは分かりませんね。僕の高校に来てくれる八段の先生は突きを大切にしろと言ってくれます。外すと怒りますけどね笑突きの打ち方を再認識出来ましたありがとうございました。
田中様
コメントありがとうございます。
> 技である突きを打たれて怒るっていうのは分かりませんね。
私も同様に思うのですが、実際にそういう方も居られました。「帰れ!!」って怒鳴られましたね。ちなみに、外した記憶はありませんが。
突きは難しいですが、大切な技だと思います。最近はあまり稽古していませんが、また基本稽古に取り入れたいと思います。
片手突きだったというのが問題かと思います。
剣歴も段位も上の方に対して複数回…
激怒されたのは、あなたには片手で充分ですって感じにとられたのかもですね。
上段の片手技とはまた意味が違うと思います。
私は突きは得意な方なので稽古でも良く使いますが、上位の先生には諸手で、且つ先生の方から先に突いてこられた場合と決めており、突いた後は「ご無礼しました!」と構えを解いて頭を下げる様にしています。
ここまで礼を尽くしておけば、激怒されたとしてもその方の人間性がその程度ってことですので(笑)
紙袋寅泰様
コメントありがとうございます。
片手突きはそのような意味もあるのでしょうか。気が付きませんでした。
「ご無礼しました!」かっこいいですね。今度から真似させて頂きたいと思います。
ちなみに、激怒された錬士五段の先生はどうやら少し酒臭かったようです。言い訳ですが。
いつも、楽しくかつ参考にさせていただいてます。初段もちで、おそ剣の40歳男性です。二段欲しくて日々稽古しています。今師事している方が二刀流の七段の先生で、初めての稽古終わりにお話し伺うと、何でツキしないの?と。二刀流にはまずツキが基本だよと言われて、ツキの稽古も組み入れてます。ツキが上手くなると相乗効果でサシ面が上手くなったような気がします。
今の私の課題は、どうしても手から先に打ちにいくことと、脱力、リラックスが足りないです。また更新楽しみにしています。
ライトニング様
コメントありがとうございます。
突きは全ての技の基本と言われることもあるように、突きが打てれば他の技も良くなる可能性が高いと思います。仰るように刺し面などは特に効果を発揮することでしょう。
また、二刀に対して突きは攻め崩す定石だと思います。しかし、逆に二刀からすれば突きを出された時はチャンスでもあるので上手く誘い出すように使うと良いかもしれませんね。
やはり例え実践で使わなくても突き技は大事ですよね。私は高校の剣道部で主将をやっていて、私の代から突き技を基本稽古に入れたら、他の部員から散々文句言われましたが・・・
そうですね。突きは大事だと思います。
社会人になると更に基本稽古の時間が少なくなり、突きの稽古をする機会もかなり減ってしまいます。できる限り取り入れたいですね。