スポーツ少年団の審判講習会(小中学生は錬成会)での一コマです。
八段の先生が中学生の試合を見て、指導者に向けて愚痴られました。そうなんです。本当に声を出さない子が多いですよね。
そうなのです、剣道の指導者って基本的に声を出せる人なので、声が出ない人の気持ちってわからないんですよね。気合でなんとかなると思っていたり・・・
しかも、近頃の子供達は外で遊ぶことも少なくなり、大きな声を出すという機会もなくなっているのも事実です。つまり、大きな声の出し方がわからないということなんですね。
先生は
って子供に教えることが多いと思いますが、そんな説明では子供達は解りませんよね。腹から出すって言われたって・・・ねぇ。声は喉から出すものでしょ?(笑)
というわけで今日は
剣道の時に大きな声を出すにはどうすればいいの?
というテーマについて考えてみましょう。声の出し方も一つの技術です。調べてみると、声の出し方にはコツがあるようです。頑張って調べてみましたので是非ご覧ください。
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腹式呼吸をマスターすれば大きな声が出る?
声の出し方で最も重要なことは腹式呼吸を行うということです。腹式呼吸というのはお腹に息を溜める呼吸方法と考えれば解り易いでしょうか。腹式呼吸の反対が胸式呼吸と呼ばれるものです。
普通に呼吸と言うと、胸式呼吸のことを指しますが、腹式呼吸は武道のみならず、歌手が声を出す時にも重要ですね。最近ではダイエットにも腹式呼吸が良いと言われています。
腹式呼吸を行うことが大事。そして、腹式呼吸は意識をすればできるようになります。でも、実は腹式呼吸ができるようになっても大きな声を出すということにはなかなか繋げることができないのではないでしょうか。
これが、
ということなのですが、そこがイマイチ解らない!具体的にはどうすれば良いのでしょうか?
例えば、人を脅かす時に
って大きな声を出しますよね。小さな声では驚きませんし。あの声こそが腹から出た声ですね。
とは言っても、腹式呼吸での声の出し方というのは実践どころか、説明も難しいと思います。何か良い方法はないかと模索していたら、YouTubeで良い動画を見つけましたので、こちらの動画をご覧ください。
動画内では腹式呼吸の方法と腹式呼吸から発声につなげる方法が短くまとめられています。。
どうでしょうか。とっても簡単ですので、是非挑戦してみてください。では、動画の内容をもう一度まとめてみましょう。
まず最初に、腹式呼吸の練習です。
- お腹に息を溜める
- ため息を吐く
そして、これができるようになれば、同じように次のような練習をしてみましょう。
- お腹に息を溜める
- 発声をする
最初はうまくできないかもしれませんが、繰り返し練習することでうまく発声できるようになると思います。
この方法なら何も道具も要りませんし、簡単にできますよね。この方法はボイストレーニングの基礎的な方法ですが、これでもまだ声の出し方の感覚が掴みにくいと感じる人がいるかもしれません。
そういう場合は、もう少し違ったアプローチ方法を考えてみましょう。紹介するのは次の3つの方法です。
- 重い物を持って自然な腹式呼吸を身に着ける
- ペットボトルを使った本格的なボイストレーニング
- 遠くに居る友達に話しかけてみよう!
では、それぞれについて詳しく見て行きましょう。
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重い物を持てば自然と腹式呼吸ができる?
腹式呼吸からの声の出し方の感覚がイマイチ掴めないという方は、炎の体育会TVで渡辺正行さんが松岡修造さんにさせられていた方法が良いかもしれませんので、その方法を紹介しましょう。
松岡修造式の大きな声の出し方の手順は以下の通りです。
- 自然体で立つ
- 両手に重いものを持つ
- 声を出す
原理としては、重い物を持つことで自然と腹部に力が入ります。そして、その状態で声を出すことによって、強制的に腹式呼吸での声の出し方ができるというものです。
これは松岡修造さんが考えた方法ではなく、応援団などでよく行われている練習方法なのだそうです。そして、この方法なら特別意識をしなくても自然と大きな声が出せる・・・はず!
ちなみに、テレビでは両手に水の入ったバケツを持っていましたが、道場で水を使うことに抵抗があると思いますし、バケツを沢山準備するのも大変ですよね。
そこで私は考えたわけです。重いもの、重いもの、重いもの・・・
防具袋でいいじゃない?防具袋の防具ってバケツに水を入れるよりも重いですよね。手に持つのも簡単ですし、丁度良いのではないでしょうか。これなら一人1個は必ず持っていますよね。二人一組になって行えば、両手に持つことができます。
ちなみに、松岡修造式の方法は、この方法とは別に声を遠くに届けるというイメージのトレーニングもされていました。ですから、重い物を持った状態で遠くへ声を届けるイメージで行うとより効果的ではないかと思います。
では、もう一つ違うトレーニング方法について見て行きましょう。
ペットボトルを使った本格的なボイストレーニング
ペットボトルを使った、本格的なボイストレーニングの方法について紹介しましょう。用意する物は、空のペットボトルだけ。500mlではなく、1.5か2リットルの大きなペットボトルを準備してください。
トレーニングの手順はこちら。
- ゆっくりと空気を吐いて肺の中を空にする(イメージ)
- ペットボトルを口にくわえる
- ペットボトルの中の空気を吸い込む
- なるべく大きな声で発声する
- 上記1~4を繰り返す
ペットボトルの中の空気を吸い込むと、ペットボトル自体が凹んでしまいますが、気にせず一気に吸い込みましょう。また、繰り返す回数に関しては特に決まりはありませんので、自分で回数を決めて取り組むのが良いと思います。

ペットボトルを使ってボイストレーニングを!
このトレーニングを行うことでインナーマッスルが鍛えらえ、肺気量(肺活量)が増えるので大きな声が出るようになります。歌手や声優さんが取り入れているトレーニング方法なので、続けることで効果を感じることができるでしょう。
では、最後に稽古の時のレクリエーション的に取り組めそうな方法を紹介しましょう。
遠くに居る友達に話しかけてみよう!
私も中学生の頃はよく先輩にやらされたものです。
体育館の端と端での会話。
そう、実はこれだけなのです。近くに居る相手との会話では小さな声でも聞こえますが、遠くに居る相手との会話では大きな声でなければ聞こえませんよね。そして、人間は自然と聞こえるように音量調節を行うものです。

遠くの友達と会話してみよう
体育館の端と端というと、近いように思えますよね。しかし、実際に相手に声が届くようにしようと思うと、結構な大音量が必要となります。
是非、子供達と楽しみながら取り組んでみてはいかがでしょうか。
ところで、剣道をしてると、しきりに『声を出せ~~っ!!』って言われますよね。でも、どうして大きな声を出す必要があるのでしょうか?その理由を知れば、少しは大きな声を出す必要性を感じて貰えると思います。
どうして剣道では大きな声を出す?
剣道で声を出す理由はいくつか考えられます。よく言われるのは下の4つではないでしょうか。
- 自分を鼓舞する
- 相手を圧倒(威圧・威嚇)する
- 最大筋力がアップする
- 気と剣の一致を表す
気勢が相手より上回ることが重要です。私は漫画のワンピースが大好きなのですが、ワンピースで言うところの覇気ですよね。覇王色の覇気なんか最高ですよね。もしくは、ドラゴンボールのかめはめ波のようなイメージでしょうか。
つまり、気迫です。自分の気持ちを相手に伝えることができれば良いのですが、そう簡単に気を伝えることはできませんよね。ですから、まずは声を出すということから始めようということです。
これはオカルト的なことではありません。実は大きな声を出すことで最大筋力が5%アップするという研究結果があります。これをシャウト効果と言います。
オリンピックのハンマー投げで室伏選手が大声を張り上げているのを見たことがありませんか?重量挙げの選手が最後に大声を出しているのを見たことがありませんか?実はこれら全てシャウト効果と呼ばれるものだったのです。大声を出すことには訳があったのですね。
そして、それだけではありません。剣道において声を出すということで、稽古自体がどんどん良くなっていくのです。
- 声を出すと元気が出る
- 元気が出ればやる気が湧く
- やる気が満ちてくれば勇気が湧く
どうでしょうか?あなたの知っている強い選手の道場は道場全体が大きな声を出していませんか?声を出すことで、その道場自体の元気も出てきます。そうすると、どんどん良い技も出るようになると考えます。
まとめ
剣道において大きな声を出すということにはとても大きな意味があります。
実際に子供達の稽古を見ていてわかるように、少し声を出しただけで、同じ面打ちなのに技のキレが違うと感じることがあるでしょう。その状態が常に出せるようになれば、稽古の質も良くなり、どんどん上達するでしょう。
でも、近頃の子供達は大きな声の出し方がわからないというのが最も大きな問題点だったのです。剣道を指導している先生達は声の大きな先生ばかりですよね。でも、その先生も最初から大きな声が出せたかと言うと、必ずしもそうではないでしょう。
ただ、大昔のことなので完全に忘れてしまっているだけですよね。ですから、ただただ大きな声を出せと言うだけで、実際に大きな声の出し方をきちんと指導してくれる先生は少ないのが現実です。それは、殆どの先生が具体的な方法を知らないから。
でも、もう大丈夫です。腹式呼吸をして、腹からの声の出し方を覚えてしまえば、自然に大きな声の出し方がわかるようになるでしょう。
それでは、もう一度腹式呼吸からの大きな声の出し方についておさらいしてみましょう。
- お腹に息を溜める
- ため息を吐く
そして、これができるようになれば、同じように
- お腹に息を溜める
- 発声をする
という手順を行えば、大きな声の出し方をマスターすることができるでしょう。もし、この方法でうまくできないということであれば、両手に重い物を持った状態で声を出すことで、強制的に腹式呼吸するという方法を試してみてください。
そして、ポイントとしては声を遠くに届かせるようなイメージで出すということですね。是非、挑戦してみてください。
稽古中に相手の人よりも大きな声を出す選手はそれだけで立派に強そうに見えます。特に昇段審査の初段・二段では元気なことが第一条件ではないでしょうか。過去に声が小さくて審査に落ちたという子供達を何人も見てきているので、本当に残念に思いました。
初段の審査についてはこちらの記事に詳しく書いていますので、参考にしてみてください。

今までは「大きな声=気合い」みたいなノリでしたが、曖昧な指導方法では大きな声が出ないという場合もあります。ですから、より具体的な方法を使って大きな声が出るようにしていきましょう。
精神的に声が出せないという場合にはまた違ったアプローチが必要だと思いますが、その場合については機会があれば別記事に書いてみたいと思います。
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