本記事は新型コロナウィルスの感染予防を受けてメニューを加筆修正しております。合宿だけではなく、防具を着用せずにできる稽古という観点からもご一読ください。
夏合宿や!!
けど、合宿ってどんなことするの?
とは言ってみたものの・・・
小学生相手にそんな厳しい合宿メニューを取り入れてもかえって逆効果ですよね。合宿の目的と言うと、単純に『強くなる』と考えがちですが、それだけではありません。
確かに強くなることが目的の合宿も必要だと思いますが、私の考える合宿の目的はそうではありません。主に考えられる目的としてはこんな感じではないでしょうか。
- 普段できない稽古ができる
- 共同生活によって団結力を高める
- 精神力の強化
- etc.
強豪校と言われる高校なんかは、毎月のように厳しい合宿が行われているそうですが、小学生にそこまでさせるというのはちょっと考え物ですね。
それに、我々のようなサラリーマン剣道愛好家が指導するという点でも無理があります。ましてやうちの剣道少年団にとっては初めての合宿です。ですから、その辺りも加味して・・・
小学生向けの楽しい剣道合宿メニューについて考えてみたいと思います。
剣道合宿のメニューや防具を着けなくても良い稽古方法を模索されている指導者の先生方の参考になれば幸いです。
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剣道の合宿は厳しいだけでは辛い!
私が学生時代に所属していた剣道部でも夏と冬に合宿をしていました。その時の練習メニューと言ったら、きついのなんのって・・・
肩が上がらなくなりましたよ。
当時の練習メニューはこんな感じでした。
- 切り返し・・・1時間
- 基本稽古・・・1時間
- エンドレス懸り稽古
- エンドレス追い込み稽古
- 地稽古
夜は先生に連れられて出稽古に行った記憶も有りますが、一番辛かったのは冬の合宿の朝でした。雪の降る朝の6時から1時間の切り返し。これが1週間続きました。
そして、後半の2日間は肩が上がらなくてリタイヤ。今となっては良い思い出ですが・・・
まぁ、高校の剣道部の合宿メニューとしてはこのくらいが適当なのではないかと考えますが、初めて合宿をする小学生の場合はどう考えても無理です。
キツイばかりじゃかわいそう。もう少し遊びも取り入れた楽しい練習メニューにした方が良いでしょう。特に夏場の稽古は熱中症などの危険度も増しますので要注意です。
ですから、以下のようなもっと楽しめる練習メニューを考案します。
- 防具不要の練習メニュー
- 遊びを取り入れた練習メニュー
では、それぞれを具体的に考えてみましょう。
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防具不要の練習メニュー
防具を着用せずにできる練習と言えば、
- 足捌きの練習
- 素振り
が主な練習メニューとなりますよね。これは普段の稽古メニューとしても取り入れられているところが多いのではないでしょうか。
問題は内容です。合宿ということで、普段の稽古時間よりは少し長い時間を取ることができると思いますので、普段はできないような練習方法を取り入れてみたいところです。そこで、次のようなメニューを考案します。
- ラダートレーニングを取り入れた足捌き
- 素振りに重点を置いて基礎固め!
- リズムに合わせて素振り(リズミカル剣道)
具体的に解説しましょう。
ラダートレーニングを取り入れた足捌き
足捌きの練習と言えば、普通に竹刀を構えて、前後左右、あるいは斜めへの足捌き、体捌きの練習を行いますが、一風変わった練習方法としてラダートレーニングを取り入れるというのはどうでしょうか?
ラダートレーニングの基礎の動画がありましたので、参考にご覧ください。
ラダートレーニングを剣道の練習に取り入れている団体は多いと思いますが、週に1回、2回しか練習していない少年団ではなかなかその時間を取ることが難しいですね。
ですから、合宿の時くらいはラダーを使用した足捌きの練習をしてみては如何でしょう?
ラダートレーニングに必要な物と言えば、トレーニング用のラダーですが、こちらは簡単にラインテープを使用すれば良いと思います。
剣道の場合は裸足で行う為、逆に本物のラダーを使用すると危険ということもありますし、実は本物のトレーニング用ラダーは非常に高価なんですね。
その点、ラインテープならスポーツ用品店で簡単に入手できます。というか、何故か我が家には常備してあります。(笑)
ラダートレーニングの方法については色々な方法がありますが、楽しみながら自分達でルールを考えてやってみると良いでしょう。ラダートレーニングに関してはこちらの記事も参考にしてください。
素振りに重点を置いて基礎固め!
素振りについては普段できないような素振りを取り入れることで基礎固めをしてみては如何でしょうか?
日頃の稽古ではどうしても面を着けてのメニューが主になりますが、基礎固めや自分の癖を治すということを考えると、やはり面を着けずに素振りをするというのが一番です。
パッと思いつくのが、下記のメニュー。
- 竹刀の先に面紐を結んで素振り
- 手刀で左右面
- 前後左右の跳躍素振り(早素振り)
- 二人一組で行う素振り
キツイ素振りはいくらでも考えられますが、キツイよりも技術力を高める素振りということを考えてみました。では、それぞれについてもう少し具体的に見ていきましょう。
竹刀の先に面紐を結んで素振り
これは、コロナ禍で対人稽古ができないという時にTwitter内で密かに流行している「イブキンチャレンジ」です。方法は簡単。
- 竹刀の先に面紐を1本括りつける
- 前進後退の正面素振りを行う
実際に行っている映像がこちら。(行っている子がイブキン君なのでイブキンチャレンジという名称になっています。)
ご存知の方多いかもですが、面紐を竹刀につけて素振り。
屋外では あまり聞こえづらいですが、竹刀を走らせると パチンパチンといい音がなります。
道場だとすごく響きます。お試しあれ。皆さんもレッツ素振り。#素振り稽古会#あやめ先生カレンダー pic.twitter.com/IaGZulPtsm
— いぶきち (@Ibukick2011) June 4, 2020
手の内が上手に使えると、竹刀に着けた面紐が良い音を奏でます。これは、面鳴りという商品を使った時と同じ効果。ただし、広い場所が必要なので注意してください。大勢の人が一斉に行う場合にはソーシャルディスタンス以上の間隔が必要となります。
イブキンチャレンジは手の内を上手く使う為にはとても良い方法ですが、それ以外にも意外な効果がありました。それは、面紐を解いたり着けたりすることで、防具の手入れに興味を持つという点です。是非取り組んでみてください。
手刀で左右面
特に手刀での左右面は日頃竹刀を振り回している切り返しを刃筋正しく行う為には有効だと考えます。
手刀とは言え、きちんと相手の左右面を捉えることができていなければ竹刀や木刀を持っても左右面を捉えることはできないでしょう。基本を抑えるという点で、時間のある時に見直してみることをおすすめします。
前後左右の跳躍素振り(早素振り)
また、前後左右の跳躍素振り(早素振り)はどんな態勢からも正しい打突ができるようにとの考えです。最初から前後左右の跳躍素振りを行うのは難易度が高いので、
- 前後の跳躍素振り
- 左右の跳躍素振り
- 前後左右の跳躍素振り
という風に段階を踏むのがおすすめです。具体的な手順は省きますが、ポイントとしては1本目の振りかぶりを後ろに下がって振りかぶるところからスタートするという点です。
ちょっとグダグダになってしまいました。しかも、途中からおかしいですね。撮り直す気力がなかったので、それ程良くない見本として参考にしてください。
常に真ん中で振るという感じです。後ろで振りかぶって真ん中で振る。前で振りかぶって真ん中で振るというイメージです。このメニューをこなすと特にどんな姿勢からも、どんな方向へも引き面が打てるようになるかもしれません。
二人一組で行う素振り
二人一組で行う素振りは、一方が竹刀で受けるような方法です。空間打突ではないので、本来の素振りとは意味合いが違うかもしれませんが、打つということに集中できます。
実際に打つことにより、手首の柔軟さや手の内を養うことができると考えます。
また、面返し胴を連続して行う方法もおすすめです。慣れない内はゆっくり、慣れてきたら面打ちを高速で打ってみましょう。具体的な方法は、左右の両方の胴を交互に打ちます。コツを掴めばそれ程難しいことではありません。
更に難易度を上げる場合は、左右の足さばきを入れて打つのがおすすめ!
リズムに合わせて素振り(リズミカル剣道)
現在、アディダスのジムなどでは剣道の素振りを取り入れたエクササイズも行われています。テレビにも取り上げられたようです。方法としては、リズムに合わせて様々な素振りを行うというもの。工夫次第で楽しめる内容なので、とてもおすすめです。
こちらは剣ヱン会の号令係さんが行っているリズミカル剣道の様子です。
また、単純に子供たちの良く知っているアニメの主題歌などを使って1曲分素振りを続けるという方法もおすすめです。素振りに丁度良いリズムの曲を探すのはやや難易度が高いですが、曲を探すのもまた楽しいひと時ではないでしょうか。
ちなみに、私の指導していたところでは、妖怪ウォッチの曲を使って跳躍素振り(早素振り)を行ったことがありますが、1曲分はかなりキツイので注意が必要です。
では、次に遊びを取り入れた練習メニューについて考えてみたいと思います。
遊びを取り入れた練習メニュー
普通の練習じゃ小学生は飽きてきてしまいますよね。(そういう子ばかりではありませんが)そんな時に有効なのが、遊びを取り入れた練習メニューです。
合宿ではありませんが、イベントで実際にやったことのあるものを挙げてみます。
- 風船割り
- 竹刀でボールドリブル
- 竹刀で新聞切り
- 叩いて避けてじゃんけんポン!
準備が大変なのは新聞切りと風船割りです。準備が大変ということはありますが、その分盛り上がるので、とってもおすすめです。
後片付けも大変ですが・・・
特に新聞切りは2枚、3枚・・・と重ねていくことで難易度が上がります。何枚まで切れるかチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。ちなみに、高段の先生でも切れないという場合があるので、こっそり練習しておくことをおすすめします。(笑)
参考にしたのは、浅見裕先生の「剣道好きを作る指導」という書籍です。
色々なアイディアが書かれていますので、一度読まれると良いでしょう。
まとめ
うちの少年団にとっては初めての剣道合宿ということで練習メニューを考えてみましたが、いかがでしたか?何か参考になる部分はあったでしょうか?
では、もう一度振り返ってみたいと思います。
防具を着用しない状態でできる練習メニューとして、
- 足捌きの練習
- 素振り
- 竹刀の先に面紐を結んで素振り
- 手刀で左右面
- 前後左右の跳躍素振り(早素振り)
- 二人一組で行う素振り
- リズミカル剣道
を考えています。具体的には、基本の地固めと言った感じでしょうか。特に、普段はないがしろにしている部分や癖の修正などに時間を割くのも一つの方法だと思います。
足捌きにしても、ラダートレーニングを行うなど、ちょっと工夫をして楽しみながら上達が期待できる方法が良いですね。
また、遊びを取り入れるという部分では、
- 風船割り
- 竹刀でボールドリブル
- 竹刀で新聞切り
- 叩いて避けてじゃんけんポン!
などのメニューを考えています。レクリエーションとして取り入れても良いと思いますし、ちょっとした息抜きになるのは間違いありません。
ただ、剣道合宿の練習メニューは遊びばかりでは駄目ですよね。ちょっとだけ厳しい稽古も取り入れて、他は思い出に残るような楽しい夏合宿にしたいと思っています。
一番の期待は、団結力と子供の精神的な成長です。家から離れて寝泊りするというだけでも子供達にとっては大冒険のはず。
特に小学校低学年の子供達は親から離れて寝泊りというのも初めてという場合もあるでしょう。そんな、ちょっとしたことでも子供は成長するものだと思っています。
合宿から帰ってきた子供達はきっと一回り大きく逞しく成長しているに違いありません。
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