剣道の打突は「攻め」「溜め」「打突」と言われます。しかし、頭ではわかっていてもそれを体現するのが難しいから困ってしまうわけですよね。
攻めて打つというのは、誰でも簡単にできると思います。しかし、剣道の打突で大事なのが溜めではないでしょうか。昇段審査の合否の分かれ目がそこにあるのかもしれません。
というわけで、今日は
剣道は溜めて打つのが大事!でも、溜めって何?
というテーマを取り上げてみたいと思います。これができるのとできないのとでは大違いです。しかし、溜めてるつもりなのに、相手に打たれた・・・なんてこともありますよね。剣道において、溜めて打つというのは簡単そうに見えて非常に難しいと感じているのではないでしょうか。
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高段者は溜めて打つ!剣道における溜めとは・・・
溜めは特別剣道に限った言葉ではありません。一般的な言葉として認識されていますよね。goo辞書で調べてみると
『バックスイングに溜めをつくる』
という例文があったので、野球やゴルフなんかでも良く使用する言葉なのかもしれません。残念ながら、私は野球もゴルフもできないので、その言葉の意味するところがイマイチ理解できません。
しかし、調べていると、実用日本語表現辞典に、このように書かれていました。
格闘ゲームなどをプレイする中で、必殺技などの特別な技を出すコマンドの一環として特定の動作を一定時間以上行うことを意味する語。タメの動作として、レバーを倒し続けたり、ボタンを押し続けたり、ボタンを連打したりすることなどが挙げられる。溜めを経て繰り出される技を「溜め技」と呼ぶ。
少し意味は違うかもしれませんが、ゲームの世界では特定の動作を一定時間以上行うことでパワーを溜めることができるようです。何となく、剣道の溜めに通じるところがあるかもしれません。
全然わからないんですけど・・・
そんなMさんは、百秀武道具店の動画を見た方が解り易いかもしれませんね。
どうですか?必殺技を仕掛ける直前にパワーを溜める、そんなイメージがわかったのではないでしょうか。しかし、剣道の場合、注意しなければならないのが、
という部分です。ただ単に打つ直前に動作を止めるというわけではありません。実は、打つ直前に行わなければならないことがあるのです。
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剣道で攻めと打突の間にしなければならないたった一つの仕事とは!?
私の中で、剣道における溜めというのは相手を観察することだと思っています。これは私だけの感覚なので、他の人とは違うかもしれません。人によっては、剣先で会話をするなどと表現されるようです。
先程紹介した動画では「我慢」「判断」と言われてましたね。
例えば、
思い切って面に来るつもりなんですね。あなたがその気なら、出小手を打たせて頂きます!
という感じでしょうか。つまり、
- 自分の攻め
- 相手の反応を観察
- 相手の反応でできた隙を打つ(判断から打突)
という手順になります。その2番目の手順が溜めという作業になるわけです。ですから、単純に動作を止めているという状態では無く、相手のことを良く見ることが大事だと思います。
だからと言って、見すぎてもいけません。
勝負は一瞬!溜めの時間はどれくらい?
剣道というのは常に『如何に相手を攻め崩すか』ということを考え続けなければなりません。それは勿論自分だけではなく、相手も同じ。つまり、駆け引きの連続です。
ですから、自分が攻めて相手の反応を待っている間に、気が付けば相手のターンになっていたり。攻めてるつもりが攻められていたり・・・そんなことが繰り返されるわけですね。
つまり、溜めと言ってものんびりしていたら意味が無くなってしまうということです。あなたの攻めが効果を発揮し、相手が何らかの行動を起こした瞬間を逃してはなりません。時間的にはほんの一瞬。それは相手によっても違いますし、攻め方によっても違います。
ですから、その時間的感覚を身に着けようと思えば、色んな人と稽古をして経験を積むしかありません。その感覚というのは、一度掴んでしまえば自分と同じくらいの実力の人に対して使えるようになるでしょう。
しかし、私の場合はなかなかその感覚を掴むことができませんでした。では、私はどのようにして溜めの感覚を掴んだのでしょうか。
溜めて打つ!まずはその感覚を掴もう!
私が溜めて打つという感覚を掴んだ方法を紹介したいと思います。但し、私が感覚を掴めたからと言って、あなたが同じように感覚を掴めるかどうかというのはわかりません。ですから、ちょっと参考程度に読んで頂けると有難いです。
まず、攻め。色々な攻め方がありますが、単純な攻め方をすることにしました。方法としてはこんな感じ。
- 中段に構える
- 構えを崩さずに右足を前にスライド
誰でもできると思います。剣先を少し下げ気味にしても良いと思いますし、先程の動画でありましたように相手の鍔を攻めるつもりで間合いを詰めるということでも良いでしょう。大事なのは構えを崩さないということ。
そして、こちらの攻めに対して次のような4種類の反応があるでしょう。
- のけぞる(後退する)
- 竹刀で避けようとする
- 出端を狙って打ってくる
- 無反応
4番目に関しては、攻めが効いていない状況ですが、他の反応の場合は必ず隙ができます。その反応を素早く判断し、打つべし!打つべし!打つべし!!私の場合、右足のスライドを止めずにそのまま打突に繋げるように心掛けています。なかなか上手くいかないのですが・・・
まとめ
今日は、『剣道は溜めて打つことが大事!』ということで、溜めということについて考えてみました。
そんな感じに思っていただければ嬉しいです。剣道において溜めがない場合でも、有効打突になることもあります。例えば、小中学生の試合なんかを見ていると、溜めの無い打突が多いですよね。そして、そんな打ちでも有効打突になっています。
しかし、中学生の地区大会上位の試合になってくると、やはり溜めのある打突が多くなってくるのではないでしょうか。自分の攻めに対する相手の反応を一瞬見て、隙のできたところを打つ。または攻めて相手に打たせて応じ技を打つ。そんな打ちができれば良いですね。
あなたの攻めが効いていても、溜めがなければ効果は半減!実に勿体ないですよね。ですから、溜めの感覚を掴んで、できる限り無駄打ちの無い剣道を目指すのが良いのではないかと考えます。
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