お父さんがネットで調べたけどわからんかったって。
今度の日曜日は地域の小学生の昇級審査会です。人手不足なので私も審査員席に座らなければならないことになりました。
しかし、級審査って地方によって違うっていうのはあまり知られてないようですね。私は一時期色々と思うところがあり、他の地方がどんな審査内容なのか気になって調べたことがありました。審査内容は実に色々。
そして、調べていると、衝撃の事実が・・・
というわけで、今日は
剣道の級審査の内容って連盟によって全然違うって本当?
というテーマを取り上げて記事にしてみたいと思います。
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全剣連の級審査基準はどうなってるの?
級審査に関してはどのような決まりになっているのかと思い、全日本剣道連盟の『称号・段位審査規則』第4章の中の第21条にこう記されています。
第4章 級位の審査
第21条
級位は、一級から三級までとする。ただし、地方代表団体が、四級以下の級位を定めることを妨げない。
級位の付与基準は、初段の付与基準に依拠するものとし、剣道の基本を修習し、技倆相当なる受審者に与えられる。
(地方代表団体による審査等)
驚きませんでしたか?全剣連の級位っていうのは基本的に一級から三級までだったのです。四級以下は各地方で勝手にやってくれってっていう話ですよね。
では、どうして四級以下の審査もしてるの?って言うと・・・
- 剣道の奨励
- 資金集め
としか言えません。
資金集めということに関しては、剣道連盟というのは非営利団体ですから試合や審査に必要な資金(会場使用料・弁当代等)を集める為と考えると仕方がありません。
本当の意味は剣道の奨励です。剣道の稽古を頑張ってるんだから、頑張った分を認めてあげようっていうことですよね。それがお子さんの励みや目標になれば良いっていうことです。
そして、一級から三級の審査内容に関しては『称号・段位審査細則』の第18条にこう書かれていました。
一級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から9まで」
二級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から6まで」
三級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から4まで」
これでようやくわかりましたね。どうして三級以上には木刀による剣道基本技稽古法の審査が入ってくるかということが。全剣連の規則で定められていたからなのです。そして、実技審査に関しては剣道の基本という一言で表されていました。実に曖昧な表記なのも驚きです。
但し、前述の『称号・段位審査規則』を再度見てみると、「級位の付与基準は、初段の付与基準に依拠するもの」と書かれていました。つまり、1級は初段を受けても良いという基本技術を身に着けているということになります。
実にややこしい話です。そして、都道府県の剣道連盟への登録というのは1級合格者しか必要ありません。つまり、言葉は悪いですが二級以下というのは取得してもあまり意味がないということになります。
では、実際に各地方ではどのような審査を行っているのか見ていきましょう。
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各地方で異なる級審査
私の住んでいる地区では小学生の級審査については8級から始まります。つまり、小学生である限り、最初は8級を受けることになります。しかし、この時点で既に他の地区とは違っていることがわかりました。
実は同じ市内でも地区によっては10級から始まるというところがあります。噂では15級から始まる地域もあるとか。
そして、受審資格についても私の住んでいる地区では小学2年生以上という決まりがあるのですが、学年制限の無いところ(園児でも受けられる)があることもわかりました。
更には、私の住んでいる滋賀県では小学生の最高は2級ということになっているのですが、小学生で1級も受審可能という県もあります。この辺りは各都道府県で決められているようです。
級審査の内容
では、具体的に私の住んでいる地区の審査の内容を紹介しましょう。
級 | 内容 |
8級 | 正面素振り |
7級 | 正面素振り |
6級 | 切り返し・面打ち・小手打ち |
5級 | 切り返し・面打ち・小手打ち |
4級 | 切り返し・面打ち・小手打ち・小手面打ち |
3級 | 切り返し・稽古 |
2級 | 切り返し・稽古 |
1級 | 切り返し・稽古 |
それぞれ級は違っても同じことを行う場合がありますが、具体的な審査内容としては、級が上がる毎に見る内容も異なります。求められることが違うと言えば解り易いでしょうか。
そして、色んな地域の昇級審査の内容を調べてみると、1級の審査でも切り返しと基本打ちのみという地域もあるようです。
つまり、級審査では正しい基本が身に付いているかということを確認するという意味合いが強いということですね。
大人の昇級審査はどうなる?
18歳以上の大人から剣道を始めた人の場合、少しだけ事情が違ってきます。
色々な地域の人の話を聞いてみたところ、下のようなパターンがありました。
- 大人は昇級審査を受けなくても初段を受けられる
- 1級と初段の審査が同時に行われる
- 1級から受ける
他にもあるかもしれませんが、全ての都道府県や海外の剣道連盟に確認することはできないので、ご了承ください。
私の住んでいる地域では、大人から剣道を始めた人でも子供達に混じって昇級審査を受ける必要があります。但し、大人から始めた場合はほぼ100%の確率で1級に一発合格となります。その理由は簡単。合格できるレベルにならないと受けないから。
それと同じで、大人から剣道を始めた人の場合はその道場の先生がOKと言えば審査を受けなくても良いという連盟もあります。また、1級と初段が同時に受けられるという連盟もあるそうで、本当に多種多様という感じですね。
まとめ
級審査の内容について記事にしてみましたが、級審査の内容が地域によって全然違うということがわかりました。そして、全剣連が3級以上の審査しか規定していないということに驚きませんでしたか?
そんな級審査ですが、内容は違っても審査員の視点は同じような気がしています。それは正に級審査合格ポイントと言って良いかもしれません。ここまで読んで頂いたあなただけに、級審査合格の秘訣をお教えしましょう。
- 大きな声を出す(気迫)
- 基本通りに打つ
たったそれだけです。級審査を受けるということは、その級に見合った実力が身に付いているということだと思って自信を持てば大丈夫でしょう。しかし、審査会場で上記の2点ができていなければ不合格になる可能性も考えられます。
緊張して大きな声が出せなかった・・・なんて言い訳をする子が居るかもしれません。でも、逆ですよね。集中して大きな声を出せば、緊張もほぐれるのではないでしょうか。
級審査と言うと、子供達は難しく考えてしまうかもしれませんが、普段教えられている通りにできれば必ず合格できるものだと思っています。
高校や大学の入学試験とは違い、定員が決まっているわけでもありませんので、全員合格ということも有り得ます。1級審査になると、やはり初段というものが控えていますので多少厳しくはなりますが、それでもきちんと基本ができていれば問題ないでしょう。
大事なことなのでもう一度言いましょう。合格の秘訣は
- 大きな声を出す(気迫)
- 基本通りに打つ
たったこれだけです。有効打突?いいえ、それよりも上記の2点が重要だと考えます。是非合格できるように頑張ってください。
他にも昇級審査・昇段審査関連の記事を書いていますので、是非ご覧ください。
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