最近の剣道の練習で足さばき頑張ってたもんな。
うちの息子は小学3年生です。最近、隣の剣道クラブに出稽古に行くことが多くなったことが良かったのでしょう。その剣道クラブではすり足の練習に重点を置いているようです。
剣道では一眼二足三胆四力と言われるように、足さばきがとっても重要です。近頃の息子の稽古を見ていると、打突後の送り足がスムーズにできるようになってきたようで、私としてもとっても喜んでいます。ほんの数か月前までは酷いものだったのですが・・・
というわけで、今日は
息子が取り組んだすり足の練習方法や強豪校で取り入れられている足さばきの稽古方法
について取り上げてみたいと思います。足さばきは日々の稽古の積み重ねが重要。そんなに急激に上達することはないでしょう。しかし、その分足さばきが上達することで、あなたの剣道は格段に良くなることでしょう。こっそり自宅で足さばきの稽古に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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現代剣道における足さばきの基本はすり足!
剣道をしていると、すり足という言葉をよく耳にすると思います。たまに、送り足のことをすり足だと勘違いしている人も居ますが、送り足はすり足の中の一つというだけで、送り足がすり足ではありません。
ということですが、すり足というのは、足裏を床から離さないように、足裏で床をする(擦る、摺る)ようなつもりで行う足使いのことなのです。
そして、すり足の中でも、やはり稽古や試合で最も重要となる送り足について見ていきたいと思います。
早速ですが、送り足の基本的な部分について見ていきましょう。こちらの動画がとても解り易く解説されていたので、一度ご覧ください。
上の動画を見てもわかるように、正しい送り足を行うにはたった3つのポイントさえ守れば良いでしょう。その3つのポイントはこちらです。
- 平行移動する
- 小さく速く移動する
- 前の足を後ろの足が追い越さない
では、上記のポイントを一つずつ詳しく見ていきましょう。
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すり足はとにかく平行移動!!
動画でも言われていましたが、すり足をする上で最も注意をすべきなのが、平行移動です。つまり、
- 頭が上下しない
- 肩の位置が上下しない
- 剣先を動かさない
ということです。上手な人の送り足を見ていると、殆ど頭が動かないのがわかると思います。そして、最も難しいのは剣先を動かさないということだと思います。
上手な人の送り足の場合、上半身だけを見ていると動く歩道に乗っているのかという錯覚に陥ってしまう程ですね。本当に、スーーーっと動いてるイメージです。
剣道の達人って、普通に歩いている時でも歩き方が綺麗ですよね。まるで、水鳥が優雅に湖を泳いでいるかのような・・・
その為には、小さく速く動かすことが重要になってきます。
小さく速く!小さく速く!!
送り足をする時に平行移動する為には、一歩一歩を小さくする必要があります。例えば、普段10歩で移動する距離なら、20歩で移動するようにするなど。
大きく一歩を踏み出すと、それに伴い体の上下動も大きくなるというのはすぐにわかると思います。ですから、できる限り小刻みに動かすのがポイントですね。
剣道では足を小さく速く動かすことが重要ではないかと考えます。歩幅を広く取った方が速く動けるようなイメージがありますが、正しい姿勢を保ったまま移動しようと考えると、やはり大きな歩幅では不可能です。
それだけではありません。例えば相手との攻め合いの中で大きく間合いを詰めようとすると、動作が大きくなるので相手に悟られる可能性が高くなります。
更に、歩幅が大きいので打てる姿勢に戻そうと思っても歩幅が小さい場合よりも時間が掛かってしまいますよね。つまり、送り足の時に歩幅を大きくするということはそれだけ危険も大きくなるのです。
速く足を動かすには・・・
小刻みに速く足を動かすと言われても、なかなか難しいですよね。イメージとしてはこんな感じです。
- 右足を前に動かす
- 右足が着地する前に左足を前に出す
- 左足が着地する前に右足を前に出す
イメージできたでしょうか。このイメージ通りにできたらどうなるかわかりますよね。地面に着地することなく、空中を歩くことができるのです。(笑)
実際は不可能なのですが、子供に指導する時にはこのように教えると楽しんでやってくれますね。
さて、送り足の注意点としては、もう一つ、歩み足にならないということも重要なポイントですね。
前の足を後ろの足が追い越さないようにしよう!
歩み足というのは、普通の歩行と同じように、左右の足を交互に前に出す、下がる時には交互に後ろに下げる足さばきの方法です。
現代剣道では、できる限りすぐに打てる姿勢を取ることを優先しているので、常に右足が前、左足が後ろの状態でなければなりません。
ですから、左足が右足よりも前に出ることはタブーなのです。
とっても単純なことなのですが、単純なことが意外と難しいようで、小学生だけではなく、大人でも誤魔化している人が非常に多いですよね。確かに打った後に抜けるのが速いのですが・・・
これは特に一度癖になってしまうとなかなか直せないようなので、できれば矯正した方が良いでしょう。よく用いられる方法としては、右足に棒などを取り付ける方法です。一度試してみてください。
- 割り箸など
- 輪ゴムなど
取付け方はとっても簡単です。輪ゴムと割り箸などの棒を取り付けます。それを足首に取り付ければできあがり!!右足に取り付ける場合は後ろ側に、左足に取り付ける場合は前側に取り付ければ良いでしょう。
これで割り箸が左足の邪魔をして右足より前に行かないようになります。前に行こうとすると、足と割り箸が接触するのでわかりますよね。この状態で繰り返し送り足の練習をしましょう。
ペアになって、右足を左足の間に長い棒を差し込んで練習するのも良いと思いますが、長い棒と言うと、やはり竹刀を思い浮かべてしまいます。しかし、竹刀は刀と同様に扱うという観点から考えると、竹刀を股の間に入れるということについてはあまりお勧めできません。
さて、ここまでは基本の送り足について説明してきました。もう完璧ですよね。では、完璧になった送り足を更に進化させましょう。
ラダートレーニングを取り入れてみよう
多くの強豪チームが足さばきの練習に取り入れているのがラダートレーニングです。ラダートレーニングは色々な方法がありますので、自分でパターンを考えるのも面白いですね。
例えば、次の動画。凄いですよね。私なんか絶対にできませんね。これを難なくこなす子供達って凄いです。
ラダートレーニング用のラダーは本格的な物を購入すると非常に高価な器具なので我々のような貧乏な剣道愛好家にはとても手が出ません。最近は下の商品のような安価にものもあるようですが。
しかし、わざわざ買ってまで・・・という方の為に、購入しなくてもラダートレーニングをする方法があるんです。
- ラインテープでラダーを作る
- 新聞紙でラダーを作る
如何でしょうか?これなら誰でもできますよね。新聞紙で作るのはちょっと大変かもしれません。それに、使用している内に破れてしまうので、長期間の使用は不可能です。
逆に、ラインテープを使用すると長期間の使用が可能ですが、体育館などの公共の場所に設置することはできません。その点、新聞紙なら持ち運びができるというメリットがあります。
一長一短という感じなので、使用状況に応じて選択すると良いでしょう。また、新聞紙でなくてもロープなどでも作成できると思いますので、耐久性という点ではそちらの方がよいかもしれませんね。
但し、ラダートレーニングを行う場合は注意点が一つだけあります。剣道は基本的に裸足で行う競技なので、足の怪我にだけは十分注意してくださいね。
まとめ
まだ私が20代の若かりし頃、八段取り立てのI先生とお酒を呑む機会がありました。その時に急に質問されて答えられなかったことをよく覚えています。
足かなぁ?足さばき・・・
それくらい足さばきは重要なんですね。そんな足さばきについての基本的な部分と応用的なラダートレーニングまで紹介しましたが、如何でしたか?
少しでも参考になれば良いのですが・・・
では、もう一度送り足についておさらいしておきましょう。送り足の注意点としては下の3つです。
- 平行移動する
- 小さく速く移動する
- 前の足を後ろの足が追い越さない
この3つのポイントさえ守れば、綺麗な送り足ができるようになります。何事も基本が一番大切です。難しいラダートレーニングもこの基本がきちっとできていなければ意味がありません。
まずは基本の足さばきを正しく速くできるように繰り返し練習しましょう!
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