地元の剣道少年団の稽古に参加してくれた中学生のMちゃん。折角参加してくれたのに、今日の練習メニューは何だかつまらなさそうです。
しばらく部活もなかったから丁度いいくらいです。
見てても全然面白く無さそうやもんな。
やっぱり何か物足りない感じのメニューです。
全体を指導しているのは私ではなく、S先生。練習メニューは一番レベルの低い子に合わせて考えておられるようで、高学年や中学生には物足りない内容に思えました。
実は、私も普段は小学生の指導をメインにしているので、中学生の練習メニューなんてあまり考えたことがなかったのですが、改めて考えてみると難しいですね。大人とも違う、小学生とも違う、中途半端なお年頃です。
こんな練習メニューじゃ中学生が可哀相。もっと剣道の技術も磨けて、体力も身に付くような、そんな練習メニューは無いものでしょうか。
というわけで、今日は
もっともっと強くなる為の練習メニューを考えよう!
というテーマで色々な方からアドバイスを頂き、総まとめのような形で記事を書いてみたいと思います。練習メニューに悩んでいるそこのあなた!
って参考にして頂けたら嬉しいです。
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剣道の連取メニューの基本パターンを考えてみよう!
最近の剣道雑誌(剣道日本・剣道時代・剣道人)には付録として強豪校の稽古風景のDVDが付いていたりしますが・・・
やっぱり強い所は違うな~!
なんて思うだけで、そのDVDから実際の稽古に活かす場があまりなかったのですが、ようやくその機会がやってきたという感じですね。
例えばこちらの九州学院の稽古風景なんか、とても参考になります。画質が悪くて少々見辛いですが、ご覧ください。
色々な強豪校の稽古風景を見ても、私の周りの道場なんかを見ても、剣道の練習パターンというのは基本の枠組みと言う意味では同じ。下に示すような感じではないかと思います。
- 準備体操
- 素振り
- 足さばきの練習
- 切り返し
- 各種基本打ち
- 応じ技など
- 打ち込み・懸り稽古・追い込み等
- 地稽古
- 切り返し
他にも色々あるかもしれませんが、概ね上記のようなパターンの練習メニューではないでしょうか。多少前後したり、その学校特有の練習方法があったりということもありますが、基本はこのパターンですよね。
それを踏まえて時間配分を考えて、重点的に行う練習なども決めて行くのが良いでしょう。また、曜日ごとに基本重視であったり、応じ技重視であったりとパターンを決めておくというのも効果的だと思います。
剣道は基本的に反復練習をするしか上達する方法はありません。しかし、同じ練習を繰り返すことも大切かもしれませんが、毎日同じことを繰り返していると人間って飽きてしまいますよね。
あなたは飽きないかもしれません。でも、他のメンバーは飽きてしまっているかも。そうなると練習中の集中力も欠けるようになり、良い稽古ができませんよね。そうならない為にも色んな工夫が必要になってくると思います。
では、それぞれの項目についてどのようなものがあるのか具体的に見ていきましょう。
準備体操から素振りまで
準備体操については今回は割愛したいと思います。また機会があれば詳しく書いてみたいと思います。準備運動の後は竹刀を使って素振りをするというのが普通のパターンではないかと思います。
しかし、ここで問題なのが、素振りは準備体操の一部なのか、それとも基本を意識した稽古の一部なのかというところをきちんと意識するということではないでしょうか。
私が思うに、上下素振りなんかは大きく肩を使うという意味で準備運動としての要素が大きいと思いますが、その他の素振りについては実践を意識することが重要であると考えます。
実践を意識した素振りを練習メニューに取り入れようとすると、こんなにも沢山の方法があります。
- 上下素振り
- 正面素振り
- 斜め素振り(左右面素振り)
- 早素振り(一挙動の素振り)
- 上下斜め素振り(左右胴)
- 返し面(手首返し)
- 片手素振り
- 片手早素振り
- 腰割り素振り
- 四股で行う素振り
- 四股+スクワットのような素振り
- 蹲踞からジャンプしながら行う素振り
素振りの方法の詳しいことについては、こちらの別記事を参考にしてください。
>>剣道の素振りはこんなに種類があるって知ってました?
しかし、これだけの種類の素振りをやろうと思うと、素振りだけで30分くらい掛かることになります。休日の稽古ならじっくり素振りを行うのも良いとは思いますが、通常の練習としては時間配分が非常に難しくなりますよね。
ですから、基本の素振りパターンを決めておいて、曜日によってプラスαという感じで上記の素振りからいくつかチョイスするのが良いでしょう。
素振りが終わったら、次は面を着けての稽古です。
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切り返しの方法イロイロ・・・
面を着けて、まずは切り返しを行うという道場や学校が多いのではないでしょうか。
切り返しは剣道に必要な全ての要素を学ぶことができると言われ、とても重要な稽古方法です。切り返しについての詳しいことはこちらの記事をご覧ください。
>>剣道における切り返しの注意点!初段・二段はこれで合格!!
しかし、単に切り返しと言っても色々な練習パターンがあります。
- 正面を打つ切り返し
- 面で受ける(左右面)切り返し
- 竹刀で受けてゆっくり
- 一息の切り返し
- 左右胴の切り返し
- 面返し胴の切り返し
- 50本切り返し
- 100本切り返し
他にもあるかもしれませんが、オーソドックスなところでこんな感じだと思います。切り返しは本当にキツイ稽古ですよね。大っ嫌いです。(笑)
実は、年齢と共に体力が衰え、なかなか一息で9本の左右面が打てなくなってきたこともあり、辛いんです。ですから、この歳になると50本とか100本の切り返しなんていうのはほぼ無理ですよね。いや、無理ということは無いのですが、若いからこそできる稽古法だと思います。
しかし、この稽古をこなすことで、気力・体力、そして呼吸法という部分を身に付けることができるので色々なパターンを練習メニューに取り入れることをおすすめします。
この中で最も難しいのは面返し胴の切り返しではないでしょうか。連続でできるようになるとカッコ良いですよね。そして、手首の使い方も上手くなり、応じ技にも生かすことができるので、是非取り入れてください。
では、切り返しの次は基本稽古を見ていきましょう。
基本稽古のメニューは自分に必要なものを選ぼう!
先日、基本稽古の指揮を執っていたのですが、切り返しと面打ちだけで40分以上。準備運動と素振りを入れたらそれだけで約1時間を費やしてしまうことになりました。
つまり、上記の切り返しだけでも色々なパターンがあるのと同じで、面打ち一つを取っても色々なパターンがあり、工夫次第で面白い練習メニュー、中身の濃い稽古ができると思います。
では、基本稽古のほんの一例を示してみたいと思います。
- 面打ち
- 大きく面
- 小さく面
- 裏から面
- 担ぎ面
- 斜面
- 小手打ち
- 大きく小手
- 小さく小手
- 裏から小手
- 担ぎ小手
- 胴打ち
- 飛び込み胴
- 抜き胴(右胴)
- 逆胴(左胴)
- 連続打ち
- 小手面
- 小手胴
- 面面
- 小手面胴
- 小手面面
- 小手小手面
- 小手面胴面
- 小手面胴面面
- 払い・すり上げ・巻き技
- 面
- 小手
- 胴
- 引き技
- 面
- 小手
- 胴
- 面小手
- 体当たり技
- 面体当たり引き面
- 面体当たり引き小手
- 面体当たり引き胴
まだまだあります。連続技に対して元立ちが避けたり、竹刀で受けて、次の技を出す稽古もできます。間合いについても遠間から、近間からと色々なパターンがありますよね。
払い技やすり上げ技、巻き技についても表からと裏から、巻き上げたり巻き落としたりということもできます。巻き技についてはこちらの記事をご覧ください。
>>剣道のスゴ技!相手の竹刀を巻き上げて打つにはどうすればいい?
また、言葉は良くないかもしれませんが、フェイントのような技も試合を意識するなら有効ですので練習すべきではないかと考えます。フェイントと言うと咎める指導者も居られますが、私は攻めパターンの一つだと考えます。
試合や地稽古の時に色々な攻め口で色々な技が出せるように練習メニューに取り入れてみましょう。さて、次は応じ技です。
応じ技
応じ技も種類が多いのですが、一般的に使用される応じ技を練習メニューに取り入れるということで良いと思います。
- 面に対する応じ技
- 面抜き胴・面返し胴
- 出端面・出端小手(出小手)
- 面すり上げ面
- 面返し面
- 小手に対する応じ技
- 小手抜き面
- 小手すり上げ面
- 相小手面
- 小手打ち落とし面
- 小手返し面
- 小手面に対する応じ技
- 小手面すり上げ面
- 小手面に対して小手胴
勿論、ここに示す技が全てではありませんが、これ以上は玄人好みの技になるかと思い、挙げませんでした。個人的には面すり上げ胴を練習しようと思っていますが、若い人は使わないですよね。(笑)
ここまでで技の稽古は終了です。さて、次からが実践的な練習メニューになります。
打ち込み・懸り稽古・追い込みその他
基本稽古が終わったらもう少し激しい稽古をしていきたいところです。追い込み稽古なんかは面を着けてすぐに行う場合もありますが、それは適材適所という感じで考えてみてください。
練習メニューとしては、下のようなものが挙げられます。
- 打ち込み
- 懸り稽古
- 一息の懸り稽古
- 打たせない懸り稽古
- 相懸り
- 一本取りの相懸り
- 追い込み
また、懸り稽古一つ取っても連続で行ったり、交互に行ったりすることで運動強度に強弱を付けることができるので、その点も考慮してそれぞれの体力に見合った形で練習メニューを考える必要があります。
追い込みについても、ここには記載しませんが、色々なパターンがあるので自分達で考えてみるのも良いでしょう。例えば下の動画のようなパターンも試してみたいですね。
そして、最後に地稽古です。
地稽古
地稽古は、どうしても同じ人とばかりやっていると緊張感が薄れてしまうので注意が必要だと思います。ですから、単なる地稽古というわけではなく、多少の工夫をすると良いでしょう。
例えば・・・
- 時間を1分程度で区切る
- 試合で一本取られて時間が無い状態を想定する
などです。兎に角緊張感を保つということが大切ではないでしょうか。他にもあると思いますので、色々な場面を想定してみてください。
ところで、面白い練習メニューを取り入れたいと考えている時にとても参考になる書籍がありますので紹介したいと思います。
剣道メニューに取り入れたい楽しい稽古法
剣道日本を時々読むのですが、その中で連載されている高倉先生の剣道レッスンというコーナーには毎回衝撃を覚えています。色々な日用品を使用した稽古法なんかもとても面白いと思います。
実はそのコーナーが一冊の書籍として販売されているので、是非参考にしてみてください。
中身はこちらから少しだけ立ち読みできました。
特に効果的だと思ったのは、スリッパを履いての踏み込みの練習でした。スリッパで上手に踏み込みができると良い音が鳴るのでとても解り易いですよね。
ちなみに、高倉先生は炎の体育会TVで松岡修造さんにアドバイスをしていた先生です。
まとめ
今日は剣道の色々な練習メニューについて考えてみました。基本的な練習メニューのパターンとしては下に示す通りです。
- 準備体操
- 素振り
- 足さばきの練習
- 切り返し
- 各種基本打ち
- 応じ技など
- 打ち込み・懸り稽古・追い込み等
- 地稽古
- 切り返し
その中の各項目を細かく分類して全てを行うことは不可能だと思います。しかし、色々な場面で色々な技を出す必要がある剣道という競技をする上では全てが必要な練習メニューではないかと考えます。
ですから、一度に全てをやろうとするのではなく、月曜日はこのメニュー、火曜日はこのメニューという風にある程度決めてから練習に取り組むというのも一つの方法ではないかと考えます。
また、基本重視なのか、試合重視なのか、体力強化重視なのかということによっても練習メニューは変わってくると思うので、その点も踏まえて、自分達で考えることも必要ですね。
兎に角、こういうことはトライ&エラーの繰り返しです。自分の短所を無くすことも必要ですが、長所を伸ばすことも必要です。
自分に合った練習メニュー、チームに必要な練習メニューを作りましょう!
今、Mちゃんに必要な練習メニューは追い込みと懸り稽古かな~。いつでも機敏に動けるようになって貰いたいですね。
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