日本には武道と言われるものが数多くありますよね。剣道も武道です。でも、時々スポーツのような扱いを受けますよね。そして、武道と言ってもスポーツ的要素も多いに含んでいます。
武道と言われるものはこちら。
- 剣道
- 柔道
- 合気道
- 弓道
- 相撲
- 少林寺拳法
- なぎなた
- 銃剣道
- 空手
剣道はスポーツか武道か・・・
柔道はスポーツか武道か・・・
判断に困ることがあるかもしれません。しかし、反対に武道でないものに関してはすぐに判断できると思います。例えば、テニスはスポーツ、野球やサッカーもスポーツ。ですよね?
武道とスポーツの違いって何?
今日はその辺りを考えてみたいと思います。
剣道をしているお子さんを持つお父さん、お母さんは
なんて思っている方が多いようですね。
そして、近年は中学校の体育で武道が必修となりました。武道を通じて学ぶことが多いということで、文科省も武道というものを見直しているようです。実は、武道にはスポーツには無い魅力がありました。
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武道とスポーツの違いは始まりだった!
武道とスポーツは似て非なるもの。武道の中でも、柔道や剣道、相撲、空手などが試合競技としても成り立っていることからもわかるように、スポーツとしての要素の多い武道もあるのです。
では、武道とスポーツは何が違うのでしょうか?
実は、武道とスポーツの違いは始まり。つまりルーツが違っていたのです。その違いを簡単にまとめると、下のようになります。
- 武道:ルーツは武士の仕事
- スポーツ:ルーツは仕事以外の娯楽
武道とスポーツのルーツは正反対だったのです!!
では、それぞれのルーツについてもう少し詳しく見て行きましょう。
武道はどうしてできたのか?そのルーツを探る!
武道はどうしてできたのでしょうか?
元々、武道というのは武士の生業(なりわい)、つまりお仕事だったのですね。武道のルーツは職業だったのです。
武士と言ってイメージするのは、常に刀を挿して闘う準備をしている姿ではないでしょうか。何か揉め事があれば、それを治める為に刀を使うというイメージもあるかもしれません。つまり、斬るか斬られるかの世界に身を置いていたということになります。
ですから、武士は刀の操法を学び、武士としての心得を学んでいたのです。正に武士道。決して遊びで刀を振り回していたわけではないということは容易に理解できるのではないでしょうか。
剣術以外でも同じです。例えば柔道や合気道なども元は剣術から派生したものです。その証拠に、柔道や合気道には木刀を使用する形がありますよね。つまり、元は同じ、武士の生業から派生したものだったのです。
では、スポーツのルーツは何でしょうか?
スポーツのルーツを探る!スポーツの語源は遊びだった!
スポーツの語源を調べてみると、ラテン語のdeportareという言葉が元になっているようです。deportareは仕事から離れるという意味です。つまり、スポーツは仕事・生活から離れて楽しむという意味だったのです。
大変興味深いですね。武道は仕事なのに対し、スポーツは仕事から離れるという意味。
では、もう少し武道というものについて考えてみましょう。
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武道とは何か
ところで、武道の『武』という文字の成り立ちをご存知でしょうか?武というのは「丈」の部分と「止」という部分が合わさって出来た漢字です。「丈」とは「ほこ・矛」のことです。つまり、『武』という文字は矛を止めるという意味になりますね。
元々は矛を持って歩くという意味だったそうですが、そこから転じて矛を止めるという解釈になったと言われています。
そして、『道』とは宇宙自然の普遍的法則や根元的実在、道徳的な規範を意味する言葉です。また、『道』には果てしなく続くという意味もありますね。
つまり、『武道』というのは、矛を止める道徳的な規範のことなのです。今の世の中に大きく欠けている部分なのかもしれません。
ちなみに、日本武道協議会が制定している武道の定義は以下のようにと定められています。
- 武士道の伝統に由来する我が国で体系化された武技の修錬による心技一如の運動文化
- 心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、国家、社会の平和と繁栄に寄与する人間形成の道である
武道は運動文化と記されていますね。非常に上手い表現だと思いましたが・・・
やはり、『運動=スポーツ』という考えがあるので、武道とスポーツが混同されてしまうのでしょう。しかし、『運動≠スポーツ』だという認識が必要なのかもしれません。
要するに、武道は矛を止める道徳的な規範を学ぶための運動文化のことを指し示します。
では、武道はスポーツと全く違うものなのかということについても考えてみましょう。
武道の中のスポーツ的要素
武道とスポーツのルーツが正反対であるとしても、武道の中にもスポーツ的要素はあります。競技としての武道という側面を考えると、やはり武道もスポーツ化してきていると言わざるを得ません。
その中でも顕著な例が柔道ではないでしょうか。
柔道はもはや柔道ではなく、国際的に『JUDO』と認識されることの方が多いかもしれません。最も影響を与えているのがオリンピックと言われています。柔道以外の武道については今後もオリンピック競技になることはないでしょう。
剣道についても「いつかはオリンピック競技に・・・」と考えている人も多いようです。しかし、私の考えでは剣道はオリンピック競技にはならないでしょう。これはかなり自信があります。オリンピックに関しては別記事に意見を書いていますので、こちらも参考にしてください。
その理由としては、武道は武道で有り続けなければならないということだと思います。スポーツとしての側面が大きくなり過ぎると、武道としての価値が少なくなるのではないかと考えます。
この考えは賛否両論あるかもしれませんが、武道は勝敗以外の部分に重きを置くべきです。それが道徳的な部分ですね。個人的な意見を言わせてもらうと、武道はスポーツではないのです。
まとめ
武道とスポーツの違いについて考えてみましたが如何だったでしょうか?
もう一度簡単にまとめてみましょう。
武道とスポーツのルーツを調べてみると、武道は仕事だったのに対してスポーツは娯楽だったことがわかりました。つまり、武道とスポーツのルーツは正反対だったのです。
そして、武道とは競技よりも、道徳的な規範を示すという部分に重きを置いています。中学校の体育に「剣道」「柔道」「相撲」が必修(学校により選択)となったことも、この道徳的な部分が大きいものと考えます。
お父さん、お母さん礼儀作法と道徳的規範を学ばせたいのであれば・・・
お子さんに武道を学ばせましょう!
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