それは娘の剣道の昇級審査会場での出来事でした。前日の稽古でお気に入りの竹刀が割れてしまい、朝から急いで武道具屋さんに寄ってからの会場入り。
柄が太いんやなぁ。とりあえずお父さんの貸してあげるわ。
こんな時、とっても焦りますよね。たまたま僕が竹刀を車に積んでいたから助かりましたが、そうでなければ買ってきた竹刀が使えないところでした。
というわけで、そろそろ小学生用の鍔も卒業する時期のようなので、剣道用品を購入するついでにネットで色々見ていた時です。
娘が指定してきたのは桜模様の入った模様鍔。女の子が持つにはとっても可愛いですよね。
実は以前使用していたのも模様の入った模様鍔だったのですが、稽古の時にS先生に、
と言われたそうです。裏は茶色い無地なので見た目は普通のプラスチックの鍔と同じ。でも、裏向けたらせっかくの可愛い模様が見えませんよね。裏側には鍔止めもありますし。
でも、良く考えたら・・・
というわけで、疑問に思ったので調べてみました。
剣道の公式試合でも模様鍔を表(模様が見える)向きで使用しても良いのでは?
剣道の鍔について疑問を感じた方は是非ご覧ください。
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剣道試合・審判規則に鍔の規定はありますが・・・
鍔というと、剣道愛好家にとっては革鍔を思い浮かべるかもしれませんが、刀の鍔だけをコレクションされてる方も居られるようです。こちらの動画を見て、その芸術性に唸ってしまいました。最後の鍔は徳川家の物でしょうか。
さて、上の動画のような鍔は竹刀には着用することができませんが、どこまでなら許されるものなのでしょうか?剣道試合・審判規則にはこう書かれてありました。
第1章 総則
第3条 竹刀
竹刀は、竹または全日本剣道連盟が認めた竹に代わる化学製品のものとする。竹刀の構造、長さ、重さ、つば(鍔)の規格などは、細則で定める。
3.つば(鍔)は、皮革または化学製品の円形のものとする。その大きさは直径9センチメートル以内とし、竹刀に固定する。
つまり、剣道で試合をする場合において鍔に関する規定というのは
- 材質・・・皮革・化学製品
- 形・・・円形
- 大きさ・・・直径9cm(3寸)以内
- 竹刀に固定する
という4点のみなのです。
かつて、とある巨大掲示板サイトで、鍔の形についての議論がありました。木刀用の鍔のような形の鍔や楕円形の鍔を使用してはいけないのかという話題でしたが、その点については試合・審判規則に書かれている通り、円形の物以外は使用不可ということになりますね。
しかし、鍔の色や模様については一切記載されていません。ということは、模様のある鍔を試合で使用しても何ら問題が無いということになります。
しかしながら、気になるのが、メーカー側の注意書きです。ハセガワ製の模様鍔を販売している通販サイトを見てみると、商品の説明書きのところに、
と書かれています。
この辺りの見解を知りたくて、メーカーのハセガワ(株)にメールで問い合わせてみることにしました。
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模様鍔の使用について!メーカーの見解はこうだ!
模様鍔のメーカーであるハセガワ(株)にメールで問い合わせてみたところ、以下のような返答がありました。
又、県により使用禁止(ローカルルール)にしている県もあると聞きました。(ガラ事態が華美との理由で)
以上の事から、やはり、試合で使用し、柄を見せて色々審判の先生に注意される子供達を考えた場合、この様な形での製法になりました。
概ね私の予想していた通りの回答でしたが、丁寧なメールでの回答を頂き大変感謝しております。
そう言えば、私が中学の時、プラスチックの白い鍔や紫色の鍔を使っている同級生が居たのですが、今のS先生と同じように、
と言われたことがありました。
鍔だけではなく、弦の色についても剣道部仲間にはピンクや紫のものを使用している人もいましたが、弦の色についても試合では黄色か白色のみしか使用できないという話がありました。
これも上記のメール回答と同じく華美になることを良く思わないというローカルルールということでしょう。
まとめ
今日は剣道で使用する鍔について記事にしてみましたが、いかがでしたか?もう一度記事を振り返ってみましょう。
まず、全日本剣道連盟の規定では模様の入った鍔の使用は禁止されていません。しかし、中体連などはローカルルールによって禁止されている場合があるということがわかりました。
ローカルルールで禁止されていなければ、不正竹刀で反則にはなりません。だからと言って、中体連や高体連の公式試合に使用することはおすすめできません。その場合は商品の注意書きに書かれている通り、相手側に裏側(茶色い面)を向けて使用した方が良いでしょう。
何故なら、ローカルルールで規定されている場合は確実に反則ということになりますし、ローカルルールで規定がなくても、審判員によっては注意を促し、交換を命じることがあるかもしれないからです。
などと審判員に抗議している時間も無駄ですし、審判員からの印象も悪くなる可能性が考えられます。何より、私が試合者の立場なら、注意されるというだけでも凹んでしまいます。
剣道はメンタル面が試合の優劣に大きく左右される競技です。君子危うきに近寄らずという諺もあるように、試合には完璧な精神状態で臨むべきでしょう。
また、昇段審査での使用も控えた方が良いと考えます。昇段審査にローカルルールはありません。ですから、模様鍔の使用をしていても注意されることはないでしょう。
しかし、仮に審査で不合格となった場合、
なんて考えることになるかもしれません。
実際はそのようなことで不合格になることは無いでしょう。私も昇段審査で何度も不合格になったときに、
と言われたことがありましたが、実際は黒胴でも不合格になりましたし、最終的には赤胴で合格することができました。
ですから、特に初段や二段の昇段審査で模様の入った鍔を使用していても全く問題無いのですが、審査も試合と同じく万全な態勢で臨みたいものです。
そして、そんなことで悩んでいる時間も勿体無いでしょう?という話なのです。そんなことを考えている余裕があるなら、一本でも多く素振りをしている方が良いでしょう。
つまり、個人的には
剣道の公式試合や昇段審査では規定とは関係なく模様鍔の使用を控えた方が良い!
と考えます。
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