剣道を始めて、しばらくすると、素振りが上手にできるようになった小学2年生のT矢君は面を付けるようになりました。
手拭いを頭に巻いて、失敗して、巻いて、失敗して・・・諦めて帽子みたいに折る方法に変えてようやく手拭いは付けられました。そしたら、次は面です。
でも、面の付け方って結構難しいんですよね。できたと思っていてもすぐに面紐がほどけたり、面自体がゆるくなってきたり・・・
それに、まだ力も弱いので付ける時に上手に面紐が締められないというのもあります。
剣道の防具の着装において、面の付け方ほど難しいことはありませんよね。私が剣道を始めたのは中学校からだったので、面が上手く付けられないという経験はありません。
だから、最初は小学生が面を付けられないということを理解できなかったのです。でも、よくよく考えてみれば、面を付けるという動作の中には色んな難しい要素が詰まっているんですよね。
ですから、今日は正しい面の付け方について一緒に学んでみましょう。面の外し方については別記事にまとめましたので、面がこちらも参考にしてください。
では、早速手拭いの付け方から見ていきましょう。
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手拭いと面の付け方の種類
面を付ける前に、まず手拭いをかぶらなければいけません。手拭いの付け方には次の3種類があります。
- 帽子方法(初心者向け)
- 交差縛り(中級者~上級者向け)
- 噛み縛り(上級者向け)
尚、名称は調べてもわからなかったので勝手に決めました。仮名称と思ってください。
手拭いを付けたら、ようやく面です。面の付け方にも2種類あります。
- 下取り方法(面紐は7尺)
- 上取り方法・関西縛り(面紐は8尺)
文字だけで説明するのは難しいので、まずは次の動画をご覧ください。
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手拭いの付け方
それでは、手拭いの付け方についてそれぞれ説明していきましょう。
ちなみに、剣道で使用する手ぬぐいは一般に市販されている手ぬぐいよりは少し大きくなっています。手ぬぐいのサイズについてはこちらの記事を参考にしてください。
手拭い帽子方法
これは帽子型に折ってからかぶる方法です。上の動画で最初に出てくるかぶり方ですね。しかし、この方法は道場や指導者によっては禁止される場合があるので要注意です。
昨年、全日本剣道連盟が主催する小学生向けの講習会に参加させて頂いたのですが、その時には範士の先生が、
「君たちは専門的に剣道を学んでいるんだからその方法は辞めなさい!」
と言っておられたのが印象的でした。帽子方法は簡易的な方法なので、例えば学校の授業で剣道を教える時などには良いが、道場での稽古には不適切だということでした。
他には、頭に着ける物を床に置いて折るということ自体不衛生であるという考え方もあるようです。
この方法のメリットとしては、
ということが考えられます。
手拭いの巻き方1(交差縛り)
交差縛りと勝手に命名しましたが、手拭いを後ろから前に持ってきて、大きく交差させる方法です。上の動画では2分20秒辺りから解説されていますね。この方法は比較的簡単にできるので、最も一般的だと思います。
特に一般女子ではほぼ100%この方法ではないかと思います。ただ、デメリットとしては、長時間の稽古では耳の裏が痛くなり易いです。あれ??私だけですか?
巻き方を言葉で表すのはとても難しいですが、こんな感じになります。
- 顔の前で手ぬぐいを両手で拡げて持つ
- 前髪が出ないようにしながら後ろの方へ持っていき頭にかぶせる
- 下になった手ぬぐいの端を後ろから(右左関係なく)片方ずつ耳を出しながら前に持ってきて反対側の耳に挟む
- 両方挟んだら顔の前にかかってる手ぬぐいを頭の上に持ってくる
尚、上に上げた手拭いの三角部分は内側に折っておくと良いでしょう。そのままにしておくと、面を付けた時に面からはみ出てぴらぴらなるのでみっともないですね。
手拭い巻き方2(噛み縛り)
噛み縛りと勝手に命名しましたが、最初に手拭いの中央下部を噛む方法です。上の動画では3分40秒辺りから解説されている方法になります。私は学生時代に何度も練習したのですが、なかなかうまくできませんでした。
ちなみに、私はこの方法で手拭いを付けています。成功のポイントは、最初に前から後ろに手拭いを引っ張りますが、その時に上の方に持っていくイメージでやってみるとできるようになりました。
この方法は初心者にはちょっと難しい方法かもしれません。特に髪の長い人には向かないと聞いたのですが、慣れればできると思うので、是非挑戦してみてください。
しかし、女性の方でこの方法で手拭いを付けている人を見たことがありません。たまたま私の周りに居ないだけでしょうか?全日本女子選手権のDVDとかを見ても居られないように思いましたが・・・
つまり、一般的ではないのですが、カッコイイ付け方だと思ってます。文章で書くとこんな感じになります。
- 面タオル上両端を指でつまみ顔にもっていく、下の中心を口でくわえる
- 両端をつまんだまま後頭部までぐるりと持っていき両端を交差させる
- 後頭部で交差させたらそのまま両端を額に持っていき一回結ぶ
- 結んだあとは結び目より下をペロリとめくって頭にのせる
ちなみに、私も最初は前で結んでいたのですが、全日本選手権の安藤戒牛選手が結ばずに付けているのを見て真似してみたらできました。
前で結ぶと痛い時があるので、それからはずっと結ばない方法でやっています。ただし、失敗することもありますので要注意です。
面の付け方
面の付け方は下取り式と上取り式がありますが、一般的に多いのが上取り式のようです。一説によると、上取り式は関西に多いということで関西結びとも呼ばれているようです。
ちなみに、私はずっと上取り式をしていたのですが、最近使用している稽古用の面では下取り式に変更しました。
下取り式のメリットは早く付けられるということに尽きると思います。しかし、面紐が締まりにくく緩みやすいというデメリットもあります。
上取り式の場合は下取り式とは正反対で、着装に>時間が掛かりますが、その分面紐が締まりやすく緩みにくいという特徴があります。
下取り式の面紐は7尺、上取り式の面紐は8尺を使用します。長い分、取り回しも大変ですし、下取り式の場合は予め紐を通しておけるので、後は引っ張って結ぶだけということになるのでスピーディーですね。
素早く面を付けて先生の所に並んでお願いしたいということを考えると、やはり下取り式になると思います。現に、学生で上取り式をしているというのを殆ど見たことがありません。
上の動画の面の付け方は下取り式での説明になっています。下取り式の場合は面紐が締まりにくいので、動画のように後ろで交差した部分から面紐を引っ張るのがポイントです。(動画の5分50秒付近)
うちの娘には去年まで上取り式をさせてましたが、これは多少時間が掛かっても、力が無い小学生でも締めやすいということで上取り式にさせていました。
では、上取り式の結び方を動画でご覧ください。
下取り式・上取り式に関わらず、面を付ける時は面紐がねじれないように注意しましょう。これから戦いの場に向かうのに、自分の着想がきちんとできていないようではいけません!!
面の付け方で最も難しいのが、面紐を結ぶという作業ではないでしょうか。特に小学校低学年のお子さんの場合、蝶々結びも難しいと思いますが、それを後ろで結ぶなんて・・・
これってかなり難易度が高いと思いませんか?だから、暖かい目で見守ってあげてくださいね。
まとめ
剣道の面の付け方と手拭いの巻き方について書いてみましたが、わかって頂けたでしょうか?
前述した通り、かなり難易度が高いと思います。力の無い小学生が面紐を強く引っ張るということも難しいですし、頭の後ろで紐を結ぶということも難しいです。
面紐を強く引っ張るということで言えば、面紐の種類にもよるような気がします。細い面紐は比較的強く締め付けられるような印象を持っていますがどうでしょうか?
逆に、太い面紐は引っ張りにくく、更に結び目も緩みやすくほどけ易い印象です。初心者には細めのタイプ(一番安い物)が良いかもしれません。
ちなみに、面紐の長さは結んだ状態で結び目から40cm以内と試合審判規則で決められていますので、長い場合はバッサリ切りましょう。
面紐を結んで前の方に持ってきて面金中央付近で揃えれば40cm以内になりますので、揃える癖を付けると良いかもしれませんね。
剣道においては、面を速く付けることも技術の一つです。
素早く付けられるように練習しましょう。面紐が上手く結べないという方は、こちらで蝶々結びの方法をご覧ください。
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